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都心ビルと土地の相続:共有名義で住みたい場合の権利と注意点

【背景】
父が亡くなり、相続が始まりました。相続財産は、都心の4階建てビルと16坪の土地です。私は11/12の法定相続分を相続しました。

【悩み】
相続で共有名義になったビルと土地に、住みたいと思っています。引っ越して住んで、自由に使うことはできるのでしょうか? 他の相続人の承諾は必要でしょうか? 何か手続きが必要なのでしょうか?不安なので教えてください。

他の相続人の承諾を得て、共有持分の合意に基づく使用貸借契約を締結する必要があります。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

まず、相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。 今回のケースでは、ビルと土地が相続財産となり、質問者さんはその11/12の持分を相続されました。 共有名義とは、複数の所有者が一つの不動産を共同で所有する状態を指します。 質問者さんは、他の相続人(1/12の持分を相続した方)と共同でビルと土地を所有することになります。

今回のケースへの直接的な回答

質問者さんが単独でビルと土地に住み、自由に使うことはできません。なぜなら、共有名義であるため、他の相続人の権利を侵害することになるからです。 他の相続人の同意を得ずに、一方的に使用することは、法律上認められていません。

関係する法律や制度がある場合は明記

民法(特に共有に関する規定)が関係します。民法では、共有物の使用・収益については、共有者全員の合意が必要とされています。 合意がなければ、裁判所に共有物の管理・使用について決定を仰ぐ必要があります(民法252条)。

誤解されがちなポイントの整理

相続によって共有名義になったからといって、自分の持分に応じて自由に使えるとは限りません。 持分比率に関わらず、共有物の使用には他の共有者の同意が必要です。 自分の持分が大きくても、他の共有者が反対すれば、自由に使うことはできないという点に注意が必要です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

他の相続人と話し合い、ビルと土地の使用について合意を得ることが最善です。 合意に至るためには、以下の方法が考えられます。

  • 話し合いによる合意:最も望ましい方法です。使用料の支払い、使用範囲の明確化など、具体的な条件を話し合って合意書を作成しましょう。
  • 共有持分の合意に基づく使用貸借契約:他の相続人にビル・土地の使用を貸し出す契約を結びます。賃料や使用条件を明確に定める必要があります。
  • 裁判による解決:話し合いがまとまらない場合は、裁判所に共有物の管理・使用について判断を仰ぐことになります。これは時間と費用がかかります。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な手続きを伴うため、専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。 特に、相続財産がビルと土地のように高額な場合、相続税の申告や、共有関係におけるトラブル回避のため、弁護士や税理士に相談することが重要です。 話し合いがうまくいかない場合や、法律的な問題が発生した場合にも、専門家の助けが必要です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

共有名義の不動産は、自分の持分だけで自由に使えるわけではありません。他の共有者の同意を得ることが不可欠です。話し合いによる合意、使用貸借契約、裁判による解決など、様々な解決方法がありますが、まずは他の相続者と誠実に話し合うことが重要です。 困難な場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談しましょう。 相続手続きは複雑なため、早期に専門家に相談することで、トラブルを未然に防ぎ、円滑な相続を進めることができます。

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