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配偶者と長男への相続、その共有割合と遺言効力確認訴訟の訴訟物算定

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遺言の有効性確認、もしくは無効確認の訴訟を起こす場合、訴訟物(訴訟の対象となる財産)はどうやって計算すれば良いのか分かりません。具体的に教えてください。相続財産が不動産や預金など、種類が複数ある場合も考慮して説明して頂きたいです。
まず、重要な用語を説明します。「遺言」とは、人が生きているうちに、自分の死後の財産の処分方法などを定めた書面のことです。「公正証書遺言」は、公証役場(公的な機関)で作成された遺言で、法的効力が非常に強い遺言です。 「遺言有効確認」とは、作成された遺言が法律上有効であることを裁判所に確認してもらう手続きです。「遺言無効確認」は、逆に、遺言が法律上無効であることを確認してもらう手続きです。「訴訟物」とは、裁判で争われる対象のことです。今回のケースでは、遺言の有効性・無効性が争点となるため、遺言で処分される財産全体が訴訟物となります。
質問者様のケースでは、遺言の有効性・無効性を確認する訴訟の訴訟物は、相続財産の総額となります。 相続財産には、不動産、預金、株式、債権など様々な種類が含まれる可能性がありますが、それら全てを合計した金額が訴訟物の価額となります。 遺言で「全ての財産」と記載されているので、配偶者と長男が相続する全ての財産の価値が訴訟物となります。
このケースでは、民法(特に相続に関する規定)が関係します。民法は、相続の基礎となる法律で、遺言の有効要件や相続分の計算方法などが規定されています。 具体的には、民法第966条以降の規定が遺言の有効性に関する判断基準となり、遺言の解釈や無効事由などが定められています。また、遺言無効確認訴訟は、民事訴訟法に基づいて行われます。
遺言に「2分の1ずつ」と記載されているからといって、訴訟物の算定が半分になるわけではありません。訴訟物は、遺言によって処分される全ての財産の総額です。共有割合は、訴訟の対象を決めるものではなく、訴訟が終了し、遺言が有効と判断された後に、相続財産を配偶者と長男でどのように分割するかを決める要素となります。
例えば、相続財産が以下の場合を考えてみましょう。
* 不動産:時価1,000万円
* 預金:500万円
* 株式:200万円
この場合、訴訟物の価額は1,000万円+500万円+200万円=1,700万円となります。 遺言が有効と判断されれば、配偶者と長男はそれぞれ850万円相当の財産を相続することになります。 ただし、実際の分割は、不動産の分割や株式の売却など、現実的な問題を考慮して行われる必要があるでしょう。
相続は複雑な手続きを伴うため、専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。特に、相続財産に高額な不動産や複雑な金融商品が含まれている場合、または遺言の内容に不明瞭な点がある場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。彼らは、法律に基づいた正確なアドバイスを行い、訴訟手続きについてもサポートしてくれます。 また、相続税の申告についても専門家の知見が必要となる場合があります。
遺言有効確認・無効確認訴訟の訴訟物は、遺言で処分される相続財産の総額です。 共有割合は、訴訟物とは関係ありません。相続に関する手続きは複雑なため、専門家への相談が重要です。 不明な点があれば、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。 公正証書遺言であっても、その有効性に疑問がある場合は、専門家の意見を仰ぐことで、安心した相続手続きを進めることができます。
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