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銀行への返済停止と会社売却後の不動産買い戻しは可能?

質問の概要

【背景】

  • 以前勤めていた会社で、社長の指示により銀行への返済を故意に停止。
  • 担保にしていた不動産は競売にかけられ、保証協会が社長との面会を求めて会社を訪問。
  • 裁判所からの呼び出しや、銀行、保証協会の要請を社長は無視。

【悩み】

  • 社長の計画では、会社を第三者に売却し、別会社として存続。
  • 社長は自己破産し、表面上は新会社と無関係になる。
  • 返済停止後に資金をプールし、競売にかけられた担保を別の第三者を通じて買い戻す計画。
  • このようなことが法的に可能かどうか、疑問に思っている。

会社売却と自己破産後の不動産買い戻しは、状況次第で可能ですが、法的なリスクが伴います。

回答と解説

テーマの基礎知識:自己破産と会社売却の基本

まず、今回のケースで重要な「自己破産」と「会社売却」について、基本的な知識を整理しましょう。

自己破産(じこはさん)とは、借金を返済できなくなった人が、裁判所に申し立てて、原則としてすべての借金の支払いを免除してもらう手続きのことです。破産すると、一部の財産(例えば、ある程度の価値がある家や車など)は失うことになりますが、借金から解放され、再出発の機会を得ることができます。

一方、会社売却(かいしゃばいきゃく)は、会社を他の人や会社に譲渡することです。これは、経営者が事業から撤退したい場合や、経営が悪化して立て直すために行われることがあります。会社を売却することで、経営者は資金を得たり、負債から解放されたりする可能性があります。

今回のケースでは、社長は自己破産し、会社を売却することで、表面上は負債から逃れ、新たな会社で事業を継続しようとしているようです。

今回のケースへの直接的な回答:計画の実現可能性

社長が計画していることは、法律的に完全に不可能というわけではありません。しかし、いくつかの注意点があります。

まず、会社を売却し、自己破産した後に、競売にかけられた不動産を買い戻すことは、第三者を通じてであれば、一般的には可能です。ただし、自己破産の手続き中に、不正な行為(例えば、財産を隠したり、不当に安く売却したりすること)があると、免責(めんせき:借金の支払いを免除してもらうこと)が認められない可能性があります。

また、会社を売却する際に、旧会社の債権者(銀行や保証協会など)に不利益を与えるような行為があった場合、詐害行為取消権(さがいこういとりけしけん:債権者を害する行為を取り消す権利)を行使される可能性があります。この場合、売買が無効となり、不動産が再び旧会社の債務の弁済に充てられることもあります。

さらに、社長が新会社の経営に深く関わっている場合、自己破産後の免責が認められない可能性や、詐欺破産罪(さぎはさんざい:破産手続きを不正に利用する犯罪)に問われる可能性もあります。

関係する法律や制度:詐害行為取消権と破産法

今回のケースで特に関係する法律や制度について、もう少し詳しく見ていきましょう。

  • 詐害行為取消権:これは、債務者(今回の場合は旧会社の社長)が、債権者(銀行や保証協会など)を害することを知りながら、財産を減少させるような行為(例えば、不当に安い価格で不動産を売却すること)を行った場合に、債権者がその行為を取り消すことができる権利です。もし詐害行為が認められれば、不動産の売買は無効となり、不動産は債務の弁済に充てられることになります。
  • 破産法:破産法は、自己破産の手続きや、破産者の財産の管理、債権者への配当などについて定めています。破産手続きにおいて、不正な行為があった場合は、免責が認められなかったり、詐欺破産罪として刑事責任を問われたりする可能性があります。

誤解されがちなポイントの整理:自己破産と会社の関係

今回のケースで、よく誤解されがちなポイントを整理しましょう。

  • 自己破産しても、会社が自動的に消滅するわけではありません。自己破産は、あくまで個人の借金に関する手続きであり、会社の存続とは直接関係ありません。ただし、自己破産した社長が会社の経営者である場合、経営権を失うことや、会社の信用が低下することなどにより、会社の経営に影響が出る可能性はあります。
  • 自己破産すると、すべての借金がなくなるわけではありません。自己破産によって免責されるのは、原則として、破産者が負っているすべての借金です。しかし、税金や、悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権など、一部の債権は免責の対象とならない場合があります。
  • 自己破産すると、一生、借金ができなくなるわけではありません。自己破産後、一定期間が経過すれば、再び借金をすることも可能です。ただし、破産したという事実は、信用情報機関に記録され、一定期間は新たな借入やクレジットカードの利用に影響を与える可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:リスクを避けるために

社長の計画を実行するにあたっては、様々なリスクが存在します。これらのリスクを最小限に抑えるためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 専門家への相談:弁護士や税理士などの専門家に相談し、法的な問題点や税務上のリスクについてアドバイスを受けることが重要です。特に、自己破産の手続きや、会社の売却、不動産の買い戻しなど、複雑な手続きを行う場合は、専門家のサポートが不可欠です。
  • 透明性の確保:自己破産の手続きや、会社の売却、不動産の買い戻しなど、すべての取引において、透明性を確保することが重要です。不正な行為や、債権者を害するような行為は避け、誠実に対応することが求められます。
  • 十分な準備:自己破産や、会社の売却、不動産の買い戻しなど、それぞれのステップにおいて、十分な準備を行うことが重要です。必要な書類を整えたり、関係者との間で合意を形成したりするなど、綿密な計画を立てる必要があります。
  • 第三者の関与:不動産の買い戻しを行う際には、社長自身が直接関与するのではなく、完全に独立した第三者を通じて行うことが望ましいです。これにより、自己破産後の免責が認められやすくなったり、詐害行為取消権のリスクを軽減したりすることができます。

例えば、社長が自己破産後に、親族や信頼できる知人に資金を借りて、その人が競売で不動産を買い戻すといったケースが考えられます。この場合、社長は直接的に不動産に関与せず、あくまで第三者である親族などが所有者となるため、リスクを軽減することができます。

専門家に相談すべき場合とその理由:法的な問題点とリスク

今回のケースでは、以下のような場合に、専門家(弁護士、税理士など)に相談することをお勧めします。

  • 自己破産の手続きについて:自己破産の手続きは複雑であり、法律の専門知識が必要です。弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。
  • 会社の売却について:会社の売却には、法的な手続きや、税務上の問題など、様々な注意点があります。弁護士や税理士に相談し、適切なアドバイスを受けることで、リスクを回避することができます。
  • 不動産の買い戻しについて:競売にかけられた不動産の買い戻しには、法的な問題や、税務上のリスクが伴います。弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
  • 債権者との関係について:債権者(銀行や保証協会など)との間で、トラブルが発生した場合、弁護士に相談し、適切な対応策を検討することが重要です。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースの重要ポイントをまとめます。

  • 社長が自己破産し、会社を売却した後に、競売にかけられた不動産を買い戻すことは、状況によっては可能ですが、法的なリスクが伴います。
  • 自己破産の手続きや、会社の売却、不動産の買い戻しにおいては、透明性を確保し、不正な行為は避ける必要があります。
  • 詐害行為取消権や、詐欺破産罪などのリスクを考慮し、専門家(弁護士、税理士など)に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
  • 第三者を通じて不動産を買い戻すなど、リスクを軽減するための対策を講じることが望ましいです。

今回のケースは、複雑な法的問題が絡み合っています。安易な判断は避け、専門家の意見を参考にしながら、慎重に対応することが大切です。

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