融資と貸し倒れ:お金を貸すってどういうこと?
お金を借りることは、人生における大きなイベントの一つです。家を買う、事業を始める、教育資金を確保するなど、様々な場面でお金の融資(お金を貸してもらうこと)が必要になります。
銀行などの金融機関は、このようなニーズに応えるためにお金を貸し出します。
しかし、お金を貸すということは、貸したお金が返ってこなくなるリスク(貸し倒れリスク)を負うということです。
貸し倒れが起こると、金融機関は損失を被り、経営に影響が出る可能性があります。
そのため、金融機関は、貸し倒れリスクを最小限に抑えるために、様々な対策を講じています。
今回の質問にあるように、担保を取ったり、審査を厳しくしたりするのも、その対策の一つです。
担保って何?なぜ必要なの?
担保とは、お金を借りた人が返済できなくなった場合に、金融機関が優先的に回収できる権利のことです。
例えば、住宅ローンを借りる際に、家を担保として提供することがあります。
もし借りた人が返済できなくなったら、金融機関は家を売却して、その代金から貸したお金を回収することができます。
担保には、大きく分けて「物的担保」と「人的担保」の2種類があります。
- 物的担保:土地や建物、株式など、具体的な財産を担保とすること。住宅ローンや事業融資などでよく利用されます。
- 人的担保:保証人をつけること。保証人は、借りた人が返済できなくなった場合に、代わりに返済する義務を負います。
担保を取ることで、金融機関は貸し倒れリスクを軽減できます。
しかし、担保があれば必ず貸し倒れを防げるわけではありません。
貸し倒れってどんな時に起こるの?
担保があっても、様々な理由で貸し倒れが起こることがあります。
主な原因としては、以下の点が挙げられます。
- 担保割れ:担保の価値が、融資額を下回ってしまうこと。例えば、不動産価格が下落した場合などに起こります。
- 担保の価値毀損:担保の価値が、何らかの原因で減少してしまうこと。例えば、建物が火災で焼失したり、土地が地盤沈下を起こしたりした場合などです。
- 担保の実行不能:担保を売却することが、法律上の制限や、手続きの遅延などによって、できなくなること。
- 債務者の倒産:お金を借りた人が、自己破産などをしてしまい、返済能力を失うこと。
- 審査の見落とし:融資の審査が甘かったり、借り手の情報を正確に把握できていなかったりした場合。
これらの原因が複合的に絡み合うこともあります。
担保があっても貸し倒れが起こるケース
具体的に、担保があっても貸し倒れが起こるケースをいくつか見てみましょう。
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住宅ローンの場合:
住宅価格が下落し、担保である家の価値が融資額を下回る「担保割れ」が起こることがあります。
また、借り主が失業したり、病気になったりして、返済が滞ることもあります。 -
事業融資の場合:
事業がうまくいかず、業績が悪化し、返済が滞ることがあります。
担保である事業用資産(工場や設備など)の価値が下落したり、売却できなくなったりすることもあります。 -
不動産投資の場合:
賃料収入が減ったり、空室が増えたりして、返済が滞ることがあります。
担保である不動産の価値が下落することもあります。
これらのケースでは、担保があっても、金融機関は貸したお金の一部または全部を回収できなくなる可能性があります。
関係する法律や制度
貸し倒れに関係する法律や制度としては、以下のようなものがあります。
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民法:
担保に関する基本的なルールを定めています。抵当権(住宅ローンなど)や質権(株式など)などの担保の種類や、担保権の実行方法などが定められています。 -
破産法:
債務者が破産した場合の手続きを定めています。破産手続きにおいては、担保権者は優先的に弁済を受けることができますが、それでも全額を回収できない場合があります。 -
金融機関の自己資本比率規制:
金融機関が、貸し倒れリスクに備えて、一定以上の自己資本を保有することを義務付けています。
これは、金融システムの安定性を確保するためのものです。
誤解されがちなポイント
貸し倒れについて、よくある誤解を整理しておきましょう。
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担保があれば必ずお金が返ってくる:
担保は、あくまで貸し倒れリスクを軽減するためのものであり、必ずお金が返ってくることを保証するものではありません。 -
貸し倒れは、担保の価値と融資額の差額分だけ:
貸し倒れは、担保の価値だけでなく、債務者の返済能力や、担保の実行可能性など、様々な要因によって左右されます。
必ずしも差額分だけが損失になるとは限りません。 -
金融機関は貸し倒れをゼロにできる:
貸し倒れリスクを完全にゼロにすることは、現実的に不可能です。
金融機関は、貸し倒れリスクを最小限に抑えるために、様々な対策を講じています。
実務的なアドバイスと具体例
貸し倒れリスクを減らすために、金融機関は様々な対策を講じています。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
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審査の強化:
借り手の信用情報や返済能力を厳しく審査することで、返済能力のない人への融資を避けます。 -
担保評価の適正化:
担保の価値を正確に評価することで、担保割れのリスクを軽減します。 -
債務者のモニタリング:
融資後も、借り手の状況を定期的に確認し、問題が発生した場合に早期に対応します。 -
リスク分散:
特定の業種や地域への融資を集中させないことで、リスクを分散します。
具体例として、住宅ローンの場合、金融機関は、住宅価格の変動リスクを考慮して、融資額を決定します。
また、借り手の収入や年齢、健康状態なども考慮して、返済能力を判断します。
専門家に相談すべき場合とその理由
もし、あなたが融資を検討している場合、または、すでに融資を受けていて返済に不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。
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ファイナンシャルプランナー:
家計や資産に関する相談に乗ってくれます。
住宅ローンの借り方や、返済計画の立て方などについてアドバイスを受けることができます。 -
弁護士:
債務整理や、法的トラブルに関する相談に乗ってくれます。
返済が困難になった場合の解決策について、アドバイスを受けることができます。 -
不動産鑑定士:
不動産の価値を評価する専門家です。
担保となる不動産の価値について、正確な情報を得ることができます。
専門家に相談することで、客観的なアドバイスを得ることができ、問題解決への道筋が見えてくる可能性があります。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問に対する重要なポイントをまとめます。
- 銀行は、融資の際に担保を取ったり、審査を厳しくしたりして、貸し倒れリスクを軽減しようと努めている。
- しかし、担保があっても、担保割れや債務者の倒産など、様々な理由で貸し倒れが起こる可能性がある。
- 貸し倒れは、担保の価値と融資額の差額分だけとは限らない。
- 融資を検討している場合や、返済に不安がある場合は、専門家に相談することが大切。
お金を借りることは、人生における大きな決断です。
貸し倒れリスクについて理解し、適切な対策を講じることで、安心して融資を受けることができます。

