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長屋の一戸建て化:隣家との境界壁設置の可否と法的根拠

【背景】
昭和47年築の3戸長屋の中央に住んでいます。右隣が不動産屋に売却され、建て替えのため境界壁を新たに設置し、長屋を切り離したいと言われました。白アリ被害も深刻で、建物の老朽化も懸念しています。

【悩み】
隣家の言い分では、私の同意は不要とのことですが、法律上、同意なしに境界壁を設置し、長屋を切り離すことは可能なのでしょうか?壁や屋根などの共有部分に関するルールも知りたいです。不動産屋からは、近所の目が気になるから同意が欲しいと言われましたが、反対するのは私だけだと言われました。弁護士にも相談しましたが、専門外と言われました。土地は登記簿上分筆されています。

隣家の同意は不要な場合もあるが、状況次第。専門家への相談が必須。

テーマの基礎知識:長屋と共有部分、区分所有の概念

長屋は、複数の住宅が連続して建てられている構造です。今回のケースのように、土地は分筆されているものの、建物が一体となっている場合、壁や屋根といった部分は、共有部分(複数の所有者が共有する部分)と区分所有部分(個々の所有者が単独で所有する部分)に分けられます。 共有部分の改修には、通常、区分所有者全員の同意が必要です。しかし、区分所有法(区分所有建物の所有者及び管理に関する法律)では、特定の改修については、個々の所有者の同意を得なくても行える場合があります。

今回のケースへの直接的な回答:同意の必要性と例外

結論から言うと、隣家の主張通り、必ずしもあなたの同意は必要ありません。ただし、それは「必ず」ではありません。 壁や屋根が完全に隣家の所有部分に含まれる改修であれば、あなたの同意は不要です。しかし、共有部分に影響を与える改修であれば、あなたの同意が必要となる可能性が高いです。 具体的には、既存の壁を撤去して新たに壁を建設する場合、その壁の位置や構造によっては共有部分に影響を与え、あなたの同意が必要となる可能性があります。

関係する法律や制度:区分所有法と民法

このケースでは、主に区分所有法と民法が関係します。区分所有法は、区分所有建物の管理や修繕に関するルールを定めています。民法は、共有物に関するルールを定めています。 特に、共有物の使用や修繕については、各共有者の合意が必要とされています。 ただし、共有物の維持管理に必要な修繕であれば、個々の所有者の同意がなくても行える場合があります。

誤解されがちなポイントの整理:共有部分と専有部分の区別

長屋の場合、壁や屋根の一部は共有部分、一部は専有部分(個々の所有者が単独で所有する部分)である可能性があります。 この区別が曖昧なため、同意の必要性についても判断が難しくなります。 古い建物では、明確な区分がされていないケースも多く、専門家の判断が不可欠です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:専門家への相談と証拠の確保

まずは、不動産屋と直接話し合い、改修内容を具体的に確認しましょう。 改修図面(建築計画図)を入手し、共有部分への影響を専門家に確認することが重要です。 また、建物の老朽化や白アリ被害についても、写真や専門家の診断書などで証拠を確保しておきましょう。 これらは、後々のトラブルを避けるために非常に重要です。

専門家に相談すべき場合とその理由:判断が難しいケース

今回のケースのように、共有部分と専有部分の区別が曖昧で、法律の解釈が難しい場合は、専門家への相談が必須です。 弁護士はもちろん、建築士や不動産鑑定士なども相談相手として適切です。 専門家は、建物の構造や法律に基づいて、適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ:専門家への相談が解決への近道

長屋における境界壁設置は、共有部分の扱い、区分所有法、民法の理解が不可欠です。 隣家の主張が必ずしも正しいとは限らないため、専門家(弁護士、建築士、不動産鑑定士など)に相談し、状況を的確に判断してもらうことが重要です。 証拠をしっかり確保し、冷静に話し合うことで、最適な解決策を見つけられるでしょう。 早めの相談が、トラブル回避につながります。

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