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限界集落の土地名義変更:無償譲渡は贈与?適切な価格設定と手続きを解説

【背景】
* 3年半前に父親が亡くなり、先祖代々から引き継いだ不動産を相続しました。
* その中に、長年借地として貸している土地があり、借地人は80歳を超えた高齢者です。
* 借地人は遠方に住んでおり、年に一度、一ヶ月程度滞在して維持管理をしています。
* 40年以上前から毎年1万円の借地料を受け取っています。
* 先祖代々、借地人の先祖に助けられた経緯があります。
* 借地人は土地の更地化や買い取り、土地交換などを提案してきました。
* 借地人の子供(私より年上)に土地を譲ることで合意しました。
* できるだけ両家の負担を少なく、無償か格安で土地を譲渡したいと考えています。
* 手数料や司法書士費用は相手方が負担します。

【悩み】
土地を無償で譲渡すると贈与税の対象になるのか? もし贈与税の対象になる場合、いくら程度の売買価格にすれば良いのか? 手続き方法がよく分かりません。

無償譲渡は贈与税の対象。数万円の売買価格では贈与とみなされる可能性が高いです。

土地の無償譲渡と贈与税

まず、土地の所有権を他人に移転する行為について、基本的な知識を整理しましょう。 大きく分けて「売買」と「贈与」の2つの方法があります。

「売買」とは、金銭などの対価と引き換えに所有権を移転することです。 一方「贈与」とは、無償で所有権を移転することです。 今回のケースでは、相手方に代金を支払わずに土地を譲渡しようとしているため、贈与に該当する可能性が高いです。

贈与には、贈与税(贈与された財産に対して課される税金)がかかります。 贈与税の税率は、贈与額や受贈者との関係によって異なります。 配偶者や直系尊属・直系卑属など、一定の親族間での贈与には、一定の金額までは非課税枠(税金がかからない金額)が適用されますが、今回のケースでは、親族間ではないため、非課税枠は適用されません。

今回のケースへの回答:贈与税の発生と対策

質問者様は土地を無償で譲渡しようと考えていますが、これは贈与とみなされ、贈与税の対象となります。 固定資産税評価額が88万円強であっても、実際の市場価格はそれよりも低い可能性があります。 限界集落にある土地という点も考慮すると、数万円程度の売買価格では、税務署から贈与とみなされる可能性が非常に高いです。

贈与税を回避するためには、適正な価格で売買契約を締結する必要があります。 適正な価格とは、市場価格に近しい価格です。 市場価格を判断するには、不動産会社に査定を依頼するのが最も確実です。 ただし、限界集落の土地という特殊性から、市場価格を正確に算出するのは難しいかもしれません。

関係する法律:贈与税法

このケースで関係する法律は、贈与税法です。 贈与税法は、贈与によって財産を移転した場合に、贈与税を課税する法律です。 贈与税の計算は、贈与額から基礎控除額を差し引いた額に対して行われます。 基礎控除額は、年間110万円です(令和6年1月1日現在)。

誤解されがちなポイント:市場価格と固定資産税評価額

固定資産税評価額は、税金の計算に使われるものであり、必ずしも市場価格と一致しません。 固定資産税評価額は、土地の価格を低く見積もって算出される傾向があります。 そのため、固定資産税評価額を参考に売買価格を決めるのは危険です。

実務的なアドバイス:不動産会社への相談と売買契約

土地の適正な価格を判断するために、不動産会社に査定を依頼することを強くお勧めします。 不動産会社は、地域の市場状況を熟知しており、より正確な価格を提示してくれます。 また、売買契約書の作成も不動産会社に依頼することで、トラブルを回避できます。 売買契約書には、売買価格、決済方法、所有権移転時期など、重要な事項が記載されます。

専門家に相談すべき場合:税理士への相談

贈与税の計算は複雑なため、税理士に相談することをお勧めします。 税理士は、贈与税の申告手続きや節税対策についてアドバイスしてくれます。 特に、土地の価格査定や贈与税の申告は専門知識が必要なため、税理士に依頼することで安心です。

まとめ:適正価格での売買契約が重要

土地の無償譲渡は贈与税の対象となります。 贈与税を回避するためには、不動産会社に査定を依頼し、適正な価格で売買契約を締結することが重要です。 税理士への相談も、贈与税の申告や節税対策のために有効です。 高齢の相手方への配慮と、将来的なトラブルを避けるためにも、専門家の力を借りながら、慎重に進めていくことをお勧めします。

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