- Q&A
隣の部屋が事故物件…契約済みの部屋への告知義務について

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック 【悩み】
・契約済みの部屋の買主に、隣の部屋が事故物件であることを告知するべきか迷っています。
・告知義務が発生する場合、どのような影響があるのか知りたいです。
不動産取引の世界では、様々な専門用語が登場します。今回のテーマである「事故物件」もその一つです。まずは、事故物件の定義や、関連する基礎知識を整理してみましょう。
事故物件(心理的瑕疵物件)とは、その物件内で過去に事件や事故、自殺などがあったために、入居者が心理的な抵抗を感じる可能性がある物件のことです。(瑕疵(かし)とは、通常備わっているべき品質や性能が欠けている状態のこと。)
具体的には、以下のようなケースが該当します。
事故物件かどうかを判断する基準は、法律で明確に定められているわけではありません。一般的には、過去の出来事が、その物件の使用価値を著しく損なうかどうかが判断のポイントとなります。
事故物件は、買主や借主にとって心理的な負担となる可能性があるため、不動産会社は取引前に告知する義務を負う場合があります。この告知義務については、後ほど詳しく解説します。
今回のケースでは、契約が成立した物件自体に問題はなく、隣の部屋が事故物件であることが判明しました。この場合、必ずしも買主に告知する義務があるとは限りません。
ただし、いくつかの注意点があります。まずは、買主が隣の部屋の状況について知りたいかどうかを確認しましょう。もし買主が不安を感じているようであれば、状況を説明し、必要に応じて情報提供を行うことが望ましいです。
告知義務の有無は、個別の状況によって判断が異なります。不安な場合は、専門家である弁護士や宅地建物取引士に相談することをおすすめします。
事故物件に関する告知義務は、法律で具体的に定められているわけではありません。しかし、関連する法律や制度として、以下のものが挙げられます。
1. 宅地建物取引業法
宅地建物取引業法は、不動産取引の公正を目的とした法律です。この法律では、宅地建物取引業者(不動産会社)は、取引の相手方に対して、重要な事項を説明する義務(重要事項説明)があります。
事故物件に関する情報は、この重要事項に該当する可能性があります。ただし、隣の部屋が事故物件である場合、必ずしも重要事項説明の対象になるとは限りません。個別の状況に応じて判断する必要があります。
2. 契約不適合責任
2020年4月1日に施行された改正民法では、瑕疵担保責任に代わって「契約不適合責任」という制度が導入されました。これは、売買契約において、引き渡された物件が契約内容に適合しない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。
隣の部屋が事故物件であることが、売買契約の目的物に影響を与える場合(例えば、物件の価値を著しく下げる場合など)は、契約不適合責任が問われる可能性があります。
3. 告知義務に関する判例
過去の裁判例では、事故物件に関する告知義務の範囲や、告知しなかった場合の責任などが争われています。これらの判例は、告知義務の判断において重要な参考資料となります。
事故物件に関する告知義務について、誤解されがちなポイントを整理しておきましょう。
・告知義務は永遠ではない
事故が発生してから、どのくらいの期間であれば告知義務があるのかという問題があります。一般的には、事件や事故が発生してから時間が経過するにつれて、告知義務は薄れていくと考えられています。しかし、具体的な期間は、事件の内容や、周辺の状況によって異なります。
・隣接する部屋の事故は、必ずしも告知義務の対象ではない
今回のケースのように、契約した物件自体ではなく、隣接する部屋で事故があった場合、告知義務が発生するかどうかは、ケースバイケースです。買主がそのことを特に気にするかどうか、物件の価値にどの程度影響があるか、などを考慮して判断する必要があります。
・告知しないと必ず違法になるわけではない
告知義務を怠った場合、民事上の責任(損害賠償など)を負う可能性がありますが、必ずしも違法行為になるわけではありません。ただし、悪質な場合は、宅地建物取引業法違反として、行政処分を受ける可能性があります。
今回のケースにおいて、不動産会社としてどのような対応をすべきか、実務的なアドバイスをいくつかご紹介します。
1. 買主へのヒアリング
まずは、買主に対して、隣の部屋の状況についてどの程度知りたいのか、不安に感じていることはないか、などを丁寧にヒアリングしましょう。買主の意向を把握することが、適切な対応の第一歩です。
2. 情報提供の検討
買主が隣の部屋の状況について知りたいと希望する場合、事実関係を説明し、必要に応じて情報提供を行いましょう。ただし、個人情報保護の観点から、プライバシーに配慮した対応が必要です。
3. 専門家への相談
告知義務の判断に迷う場合は、弁護士や宅地建物取引士などの専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えることができます。
4. 記録の作成
買主とのやり取りや、専門家との相談内容など、対応の経緯を記録しておきましょう。万が一、後日トラブルが発生した場合、証拠として役立ちます。
具体例:
買主が「隣の部屋で以前何かあったと聞いたのですが…」と尋ねてきた場合、以下のように対応することができます。
「〇〇様、ご心配をおかけして申し訳ございません。隣の部屋について、以前に〇〇という事実があったことは把握しております。詳細については、プライバシー保護の観点からお伝えできませんが、ご希望があれば、専門家にご相談いただくことも可能です。」
今回のケースでは、以下のような場合は、専門家(弁護士や宅地建物取引士など)に相談することをおすすめします。
専門家は、法律や不動産取引に関する専門知識を持っており、個別の状況に応じた適切なアドバイスを提供してくれます。また、万が一トラブルが発生した場合、法的手段による解決をサポートしてくれます。
今回のテーマである「隣の部屋が事故物件…契約済みの部屋への告知義務について」の重要ポイントをまとめます。
・契約した物件自体に問題がなければ、隣の部屋が事故物件であっても、必ずしも告知義務が発生するわけではありません。
・買主の意向を確認し、不安を感じている場合は、状況を説明し、必要に応じて情報提供を行いましょう。
・告知義務の判断に迷う場合は、専門家(弁護士や宅地建物取引士)に相談しましょう。
・対応の経緯は記録しておきましょう。
不動産取引は、専門的な知識が必要となる場面が多くあります。今回のケースのように、判断に迷う場合は、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも重要です。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック