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隣地と繋がる擁壁、所有者と連絡不能でも解体できる?承諾なし工事のリスクと正しい手続き

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おすすめ3社をチェック隣家と繋がっている自宅の擁壁を解体したいのですが、隣家の所有者が海外在住で連絡が取れません。相手の承諾なしに、自分の敷地内の擁壁だけを解体しても、法的に問題ないのでしょうか?
結論から言うと、たとえあなたの敷地内にある擁壁でも、隣家と繋がっている場合は自己判断で解体してはいけません。相手の承諾なしに工事を行えば、損害賠償を請求されるなど、深刻な法的トラブルに発展するリスクが非常に高いです。
相手と連絡が取れない場合は、然るべき法的な手続きを踏んで対応する必要があります。この記事では、なぜ承諾が必要なのかという法的な理由と、連絡が取れない所有者に対して、あなたが取れる正しい手続きについて詳しく解説します。
「自分の敷地内の壁なのだから、自由にしても良いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、建物や構造物が繋がっている場合、法律の考え方はそう単純ではありません。
もし、その擁壁が土地の境界線上に設置されている場合、民法の規定により、その擁壁はあなたと隣地所有者の「共有物」であると推定されます(民法第229条)。共有物の一部を解体する行為は、全体の形状や効用を変える「変更行為」にあたるため、共有者全員の同意がなければ行うことはできません。
ご相談のケースのように、擁壁が完全にあなたの敷地内にあったとしても、隣地の擁壁や建物と物理的に繋がっている場合、問題は「構造上の一体性」です。
あなたが「隣地の擁壁に影響を与えることはありません」と考えていても、それはあくまでご自身の見解です。専門家が見れば、一方を解体することで、残った擁壁の強度や安定性に影響が出る可能性は十分に考えられます。万が一、解体後に隣地の擁壁にひびが入ったり、崩れたりした場合、その損害に対する賠償責任を負うのは、原因を作ったあなたになってしまうのです。
では、相手と連絡が取れない場合は、泣き寝入りするしかないのでしょうか。いいえ、そのような状況を解決するための法的な制度がきちんと用意されています。
まずは、法務局で隣地の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、登記されている所有者の氏名と住所を正確に把握します。その上で、司法書士や弁護士に依頼し、職権で現在の住民票などを追跡調査してもらい、判明した住所宛に「擁壁の解体に関する協議のお願い」といった内容の書面を、記録が残る内容証明郵便で送付します。これが、正式に連絡を試みたという重要な証拠になります。
調査してもなお所有者の所在が不明である、あるいは手紙を受け取っても返答がない場合、次のステップに進みます。あなたは、利害関係者として、家庭裁判所に対して**「不在者財産管理人の選任申立て」**を行うことができます。
「不在者財産管理人」とは、行方不明の所有者に代わって、その人の財産を管理・保存する権限を裁判所から与えられた人(通常は弁護士が選ばれます)のことです。
無事に財産管理人が選任されれば、その管理人は法的に隣地所有者の代理人となります。あなたは、その財産管理人と擁壁の解体について協議し、必要な承諾を得ることができます。財産管理人は、隣地所有者の不利益にならない、合理的な内容であれば、承諾を与えるのが一般的です。この承諾を得て初めて、あなたは合法的に工事に着手できるのです。
最後に、今回のポイントを整理します。
ご覧いただいたように、一見単純に見える擁壁の解体も、隣地との権利関係が絡むと、非常に専門的な法律問題となります。特に、相手方が不在である場合は、ご自身の判断で行動するのではなく、法律が定めた手順に則って、安全かつ確実に対応を進めることが不可欠です。
このような複雑な問題を抱えたままでは、ご自身の不動産の価値も十分に活かすことができません。もし、今回の件をきっかけに、権利関係が複雑な不動産の管理や売却についてお悩みであれば、弁護士などの法律専門家と連携を持つ、私たちのような共有不動産問題に詳しい専門家にご相談いただくのも一つの解決策です。
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