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隣地共有者の樹木越境問題!伐採承諾を得るための徹底ガイド

【背景】
隣家の山林から枝が私の土地に伸びてきて困っています。隣地は兄弟2人の共有になっているようで、連絡先も分からず困っています。

【悩み】
隣地の樹木の枝が越境しているので伐採したいのですが、共有者の場合、どちらに承諾を得ればいいのか、また連絡が取れない場合どうすればいいのか分かりません。

共有者の全員の承諾が必要です。連絡が取れない場合は、内容証明郵便で交渉を試みましょう。

1. 樹木越境問題の基礎知識

民法(日本の私法の基本法)では、土地の所有者は、自分の土地の上空(天空権)と地下(地中権)を自由に利用できます。隣地の樹木の枝があなたの土地に越境している状態は、あなたの天空権を侵害していると言えるでしょう。そのため、越境している枝の伐採を請求する権利があります。

しかし、その樹木が誰のものか、そして誰が伐採を許可できるかが問題になります。今回のケースでは、隣地が共有地であることが重要です。共有とは、複数の者が一つの物を共同で所有する状態です(民法246条)。

2. 今回のケースへの直接的な回答

隣地が2名による共有である場合、樹木の伐採には、共有者全員の承諾が必要です。片方の承諾だけでは、法律的に伐採できません。

3. 関係する法律や制度

民法が主な根拠となります。特に、以下の条文が関連します。

* **民法246条(共有):** 共有物の管理は、共有者の全員の同意が必要です。樹木の伐採は、共有地の管理行為に該当します。
* **民法247条(共有者の権利):** 共有者は、共有物について、他の共有者と平等な権利を有します。そのため、一方の共有者だけが勝手に伐採することはできません。

4. 誤解されがちなポイントの整理

「隣地の一部だから、勝手に伐採しても良い」という誤解は危険です。たとえ枝が僅かでも越境していれば、天空権の侵害であり、勝手に伐採すると、不法行為(違法な行為)として、損害賠償請求される可能性があります。

また、「隣人に連絡が取れないから、諦めるしかない」と考えるのも早計です。後述しますが、連絡が取れない場合でも、解決策はあります。

5. 実務的なアドバイスや具体例の紹介

まず、登記簿に記載されている住所宛てに、内容証明郵便(配達証明付き)で、伐採の承諾を求める文書を送付しましょう。内容証明郵便は、送達されたことを証明できる重要な証拠となります。

文書には、以下の点を明確に記載しましょう。

* あなたの土地と隣地の境界
* 越境している枝の状況(写真添付が効果的)
* 伐採の必要性と理由
* 伐採に係る費用負担の提案(あなたが負担する旨を明記する)
* 連絡が取れない場合の対応(例えば、期限を設けて、期限までに連絡がない場合は、弁護士に相談する旨を記載する)

連絡が取れた場合は、直接交渉を行い、穏便に解決を目指しましょう。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

連絡が取れない場合、または交渉が難航する場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。専門家は、法的観点から適切なアドバイスを行い、必要であれば、裁判手続きなどの法的措置をサポートしてくれます。特に、共有者間の合意が得られない場合、裁判による解決が必要になる可能性があります。

7. まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

隣地の樹木が越境している場合、共有者全員の承諾を得てから伐採する必要があります。連絡が取れない場合は、内容証明郵便で交渉し、それでも解決しない場合は、専門家に相談しましょう。早めの対応が、トラブルを回避する鍵となります。 自分の権利を守るためにも、適切な手続きを踏むことが重要です。

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