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隣地の擁壁が越境している!撤去は要求できる?承諾書の取得と「時効取得」のリスクを解説

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おすすめ3社をチェック購入した土地に、隣地の擁壁の基礎部分が越境していることが分かりました。このままでは駐車場が作れず困っています。越境している部分の撤去を、隣地の所有者に要求することはできるのでしょうか?
結論から言うと、原則として、あなたは隣地の所有者に対して越境部分の撤去を要求する権利があります。
しかし、擁壁の基礎という構造上重要な部分の撤去は、相手に多大な負担を強いるため、現実的にはまず話し合いによる解決を目指すべきです。具体的には、将来のトラブルを防ぐための「承諾書(覚書)」を取り交わすのが一般的な対応となります。この記事では、越境されたあなたが持つ法的な権利と、現実的な解決策としての承諾書の重要性、そして放置した場合のリスクについて詳しく解説します。
まず、ご自身の法的な立場を正確に理解することが重要です。あなたの土地に、あなたの許可なく隣地の擁壁が存在している状態は、あなたの「所有権」が侵害されている状態です。
土地の所有権とは、その土地を自由に使用・収益・処分できる、非常に強力な権利です。隣地の擁壁があなたの土地にはみ出している(越境している)ということは、その部分をあなたが駐車場として自由に「使用」する権利が妨害されていることを意味します。
この所有権の妨害に対し、あなたは、その妨害を排除すること、つまり**越境部分の撤去を要求する権利(所有権に基づく妨害排除請求権)**を持っています。これが、あなたの最も強い法的な切り札です。
しかし、この権利を直ちに裁判などで主張するのは、得策とは言えない場合があります。擁壁の基礎の撤去は、隣地所有者にとって莫大な費用がかかるだけでなく、隣地の安全性にも関わるため、紛争が長期化・泥沼化する可能性があるからです。
そこで、最も現実的で円満な解決策として広く用いられているのが、隣地所有者との間で**「越境に関する承諾書(覚書)」**を取り交わすことです。これは、現状の問題を双方が確認し、将来のルールを明確にするための重要な書類です。
将来のあなた、そして土地を継ぐ子供たちの代までトラブルの種を残さないために、承諾書には最低限、以下の5つの項目を盛り込みましょう。
この承諾書を作成し、双方が署名・捺印して保管しておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
「事を荒立てたくないから」と、この問題を放置するのは最も危険な選択です。なぜなら、「時効取得」という制度によって、あなたがその土地の所有権を失ってしまう可能性があるからです。
「時効取得」とは、他人の土地であっても、一定期間(10年または20年)、自分の土地であると信じて平穏に占有し続けることで、その土地の所有権が法的に認められてしまう制度です。承諾書を作成しておくことで、隣地所有者は「あなたの土地であることを認めた上で、使わせてもらっている」という立場になり、時効取得が成立するのを防ぐことができるのです。
最後に、今回のポイントを整理します。
新築を前に、予期せぬ境界トラブルに見舞われたご心労は計り知れません。しかし、これはあなたの土地の権利を将来にわたって確定させるための、重要な機会でもあります。感情的に撤去を迫るのではなく、お互いの状況を尊重しつつ、書面で将来の約束を交わすという大人の対応が、円満な解決への鍵となります。
境界の確定や承諾書の作成は、専門的な知識が必要です。手続きを確実に行い、将来に禍根を残さないためにも、まずは土地家屋調査士や司法書士といった専門家に相談し、隣地所有者との交渉を進めていくことを強くお勧めします。
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