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隣接地通行権と承役地の争い!相続後の通行権問題解決への道筋
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病院による通行差し止めをどのように実現できるのか、また、通行による損害に対する補償をどのように受けられるのかを知りたいです。
まず、重要なのは「隣接地通行権」と「承役地」の理解です。
**隣接地通行権**とは、自分の土地に接する土地に、どうしても通路がない場合に、隣接地の土地を一時的に通行する権利のことです。これは、民法231条に規定されており、必要性と相当性の範囲内で認められます。ただし、通行権は、土地の所有権とは別個の権利であり、所有権とは無関係に存在します。相続によって、通行権も相続されます。
**承役地**とは、地役権(他人の土地に負担を負う権利)が設定されている土地のことです。地役権には、通行権以外にも、水道管を通す権利や、排水する権利などがあります。承役地は、所有権とは別の権利が設定されている土地であり、所有者には、その権利の範囲内で制限が課せられます。
今回のケースでは、病院が通行していた経路に、囲繞地通行権、あるいは承役地が存在していたかどうかが争点となります。
病院が通行路の使用を継続する法的根拠がない場合、通行差し止め請求が可能です。 また、通行によって被った損害(騒音、プライバシー侵害、生活の支障など)については、損害賠償請求も可能です。
この問題には、民法(特に、所有権、地役権、不法行為に関する規定)と不動産登記法が関係します。 通行権の有無、承役地の存在、損害賠償請求の根拠などが、これらの法律に基づいて判断されます。
病院が「承役地」を主張している点に注意が必要です。承役地は、登記簿に地役権が設定されている必要があります。 登記簿に記載がない場合、承役地として認められる可能性は低くなります。 また、単に以前から通行されていたからといって、それが自動的に通行権や承役地を意味するわけではありません。 長年の通行が慣習として認められる「準占有」となる可能性もありますが、これも条件を満たす必要があります。
まず、通行によって生じている具体的な損害を記録することが重要です。写真、動画、通行者数の記録などが証拠となります。 次に、土地の登記簿謄本を取得し、地役権の設定の有無を確認しましょう。 これらの証拠を基に、弁護士に相談し、適切な法的措置を検討することをお勧めします。
土地や通行権に関する問題は、法律の専門知識が必要となる複雑なケースが多いです。 特に、証拠集めや交渉、訴訟手続きなどには、弁護士の専門的な助言とサポートが不可欠です。 一人で抱え込まず、早めに弁護士に相談することを強く推奨します。
今回のケースは、隣接地通行権、承役地、損害賠償請求など、複数の法的要素が絡み合っています。 感情的な対応ではなく、法的根拠に基づいた冷静な対応が重要です。 証拠をしっかり集め、弁護士に相談して、最適な解決策を見つけるようにしましょう。 早めの行動が、問題解決への近道となります。
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