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集合住宅のベランダ:緊急時以外、他人が勝手に立ち入っても良いの?ベランダの権利関係とプライバシー保護について徹底解説

【背景】
* 集合住宅(アパート)に住んでいます。
* ベランダの前に2mほどの垣根があり、隣との間仕切りもあります。
* 不在中に、不動産会社から依頼された業者が、垣根を乗り越えてベランダに立ち入り、作業を行いました。
* 事前の連絡はありませんでした。

【悩み】
ベランダは共有部分と聞いていますが、緊急時以外に、管理人や業者などが勝手に立ち入っても良いのでしょうか?不動産会社は「法的には問題ない」と言っていますが、納得できません。

ベランダは共有部分でも、無断立ち入りは原則禁止。事前連絡必須です。

集合住宅におけるベランダの法的性質

集合住宅のベランダは、建物の構造や管理規約によって、専有部分(※個人が所有・使用できる部分)と共有部分(※複数の人が共有して使用する部分)に分類されます。多くの場合、ベランダは専有部分として扱われますが、一部共有部分とされているケースもあります。 重要なのは、所有権ではなく、使用権です。専有部分であっても、管理上必要な場合、管理会社や業者は立ち入る権利を持つ可能性があります。しかし、それはあくまで「権利」であって、「無断」で良いわけではありません。

今回のケースにおける法的判断

今回のケースでは、業者があなたの不在中に、事前連絡なくベランダに立ち入ったことが問題です。ベランダが専有部分であっても共有部分であっても、無断で立ち入ることは、原則として許されません。これは、民法上の不法行為(※他人に損害を与えた場合に、損害賠償責任を負う行為)に該当する可能性があります。 不動産会社が「法的には問題ない」と言ったのは、誤解を招く表現です。 共有部分であっても、使用権の範囲内で、かつ、事前に連絡し、承諾を得ることが必要です。

関係する法律や制度

関係する法律としては、民法(※私人間の権利義務を定めた法律)が挙げられます。特に、不法行為に関する規定が重要です。また、賃貸借契約書(※賃貸人と借主の間で締結される契約書)や、マンションであれば区分所有法(※マンションの所有と管理に関する法律)、管理規約の内容も確認する必要があります。 これらの文書に、ベランダへの立ち入りに関する規定があれば、それが優先されます。

誤解されがちなポイント:共有部分=自由に使えるわけではない

「共有部分」だからといって、誰でも自由に使えるわけではありません。共有部分の使用は、管理規約や、建物の管理運営のために必要な範囲に限られます。 今回のケースのように、個人のプライバシーに関わるベランダへの無断立ち入りは、共有部分であっても許される行為ではありません。

実務的なアドバイスと具体例

今後、同様の事態を避けるためには、以下の点に注意しましょう。

  • 賃貸借契約書や管理規約を熟読し、ベランダの使用に関する規定を確認する。
  • 管理会社や不動産会社との連絡を密にする。作業が必要な場合は、事前に日時、内容、作業者の身分などを確認する。
  • 不在時の作業は、極力避けるよう依頼する。
  • 万一、無断で立ち入られた場合は、証拠を確保し(写真、動画など)、管理会社や不動産会社に抗議する。

専門家に相談すべき場合とその理由

もし、不動産会社との間で意見の食い違いが解消しない場合、または、損害賠償請求などを検討する場合は、弁護士や不動産専門家への相談をおすすめします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ:ベランダへの立ち入りは、事前連絡と承諾が必須

集合住宅のベランダは、専有部分であっても共有部分であっても、緊急時以外に他人が勝手に立ち入ることは許されません。 事前連絡とあなたの承諾を得ることが不可欠です。 不明な点があれば、賃貸借契約書、管理規約を確認し、それでも解決しない場合は専門家に相談しましょう。 自分の権利をしっかり守り、安心して暮らせるようにしましょう。

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