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離婚で揉めない!住宅頭金と財産分与の落とし穴と解決策~私の300万円は返ってこない?~

【背景】
夫と離婚することになり、財産分与について悩んでいます。マイホームを購入する際、頭金として家計から200万円、夫の実家から300万円、私の実家から300万円、そして私の独身時代の預金から300万円を出しました。住宅ローンは夫婦名義です。

【悩み】
住宅は共有財産だと思うのですが、独身時代の私名義の預金から出した300万円は、離婚時の財産分与で夫に請求できないのでしょうか?返してもらえる可能性はありますか?

独身時預金からの300万円は、原則として特有財産で返還請求できます。

回答と解説

1.財産分与と特有財産の基礎知識

離婚の際に、夫婦で築いた財産を公平に分割するのが「財産分与」(民法760条)です。共有財産(夫婦共有の財産)は、原則として2分の1ずつ分割されます。しかし、結婚前に既に持っていた財産や、結婚後でも一方のみに帰属する財産は「特有財産」と呼ばれ、財産分与の対象外です。

2.今回のケースへの直接的な回答

質問者様の独身時代の預金から拠出した300万円は、特有財産に該当する可能性が高いです。これは、結婚前に既に質問者様個人が所有していた財産だからです。そのため、この300万円は、原則として夫に請求できます。

3.関係する法律や制度

民法760条が財産分与の根拠となる法律です。この条文では、離婚時に夫婦の共有財産を分割する規定が定められており、特有財産は分割の対象外とされています。

4.誤解されがちなポイントの整理

「頭金を出したから、その分だけ多く財産分与を受けられる」と誤解する方がいますが、それは必ずしも正しくありません。頭金の出所が特有財産である場合、その額は返還請求できますが、共有財産として購入した住宅の評価額を計算する際に、頭金の出資比率が考慮されるわけではありません。

例えば、住宅の評価額が1000万円で、頭金を100万円出資したとしても、財産分与は500万円になります。しかし、特有財産から拠出した頭金100万円は、別途返還請求できます。

5.実務的なアドバイスや具体例の紹介

質問者様の場合、住宅の評価額から、家計からの200万円、夫の実家からの300万円、質問者様の親からの300万円を差し引いて、残りの金額を2で割るのが、一般的な財産分与の計算方法です。そして、それに加えて、特有財産である質問者様の独身時預金からの300万円の返還請求を行うことができます。

例えば、住宅の評価額が1000万円の場合、
1000万円 – 200万円 – 300万円 – 300万円 = 200万円
200万円 ÷ 2 = 100万円
となります。質問者様は、夫から100万円と、特有財産である300万円の返還を受け取ることになります。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

財産分与は複雑なケースも多く、専門家の助言が必要な場合があります。特に、高額な財産が絡む場合や、夫婦間で合意が難しい場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。彼らは、法律に基づいた適切なアドバイスと手続きをサポートしてくれます。

特に、住宅の評価額の算定や、特有財産と共有財産の線引きが曖昧な場合、専門家の介入が不可欠です。

7.まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 独身時代の預金から出した頭金は、原則として特有財産であり、離婚時に返還請求できます。
* 財産分与は、住宅の評価額を単純に2分の1ずつ分けるのではなく、特有財産の扱いや、頭金の出所などを考慮して計算されます。
* 複雑なケースや、夫婦間で合意が難しい場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。

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