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離婚と財産分与:不動産屋の査定額は裁判でどの程度考慮される?専門家が解説

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不動産屋さんの査定額は、裁判でどの程度考慮されるのでしょうか?不動産屋さんの査定は、正確性に欠けるという話を聞いたことがあるので不安です。裁判で有利に進めるためには、どのような方法が良いのでしょうか?
離婚の際に、夫婦で築いた財産を公平に分割するのが財産分与です(民法760条)。共有財産である不動産の価値を正確に評価することは、公正な分与を行う上で非常に重要です。
不動産屋による査定は、あくまで「参考」として扱われます。裁判所は、査定額をそのまま受け入れることはほとんどありません。なぜなら、不動産屋の査定は、売買を前提とした市場価格(時価)を推定するものであり、必ずしも客観的な評価とは限らないからです。
不動産屋は、売買成立を目的とするため、売主の希望価格に沿った査定をする傾向があります。また、査定方法も統一されておらず、不動産屋によって査定額に大きな差が生じる可能性があります。
裁判でより正確な評価を得るためには、不動産鑑定士による鑑定評価が有効です。不動産鑑定士は、国土交通大臣の登録を受けた専門家で、高度な知識と経験に基づいて、客観的な評価を行います。
鑑定評価は、不動産の特性、市場動向、比較対象物件などを詳細に分析した上で算出されるため、不動産屋査定よりも信頼性が高いと言えます。ただし、鑑定費用は数十万円と高額になるのがデメリットです。
財産分与は民法760条に規定されています。不動産の鑑定評価については、不動産鑑定士法に基づいて、不動産鑑定士が業務を行います。裁判では、これらの法律に基づいて、証拠として提出された資料が精査されます。
不動産屋査定は、あくまでも参考資料です。絶対的な信頼性はなく、裁判で有利に働くとは限りません。むしろ、不正確な査定額を提出することで、裁判の進行を遅らせたり、不利な判決につながる可能性もあります。
裁判では、証拠が非常に重要です。不動産屋査定に加えて、公的な評価資料(固定資産税評価額など)、類似物件の売買事例などを収集し、証拠として提出することが重要です。
また、弁護士に相談することで、適切な証拠資料の収集方法や裁判戦略についてアドバイスを受けることができます。弁護士は、財産分与に関する豊富な知識と経験を持っており、依頼者にとって有利な解決策を導き出すお手伝いをします。
特に、高額な不動産を共有財産として持つ場合や、複雑な事情(抵当権の設定など)がある場合は、弁護士や不動産鑑定士に相談することが強く推奨されます。専門家の助言を得ることで、より正確な評価を行い、有利な条件で財産分与を進めることができます。
離婚における財産分与では、不動産の評価が非常に重要です。不動産屋査定は参考程度に留め、より客観的で信頼性の高い不動産鑑定士による鑑定評価を検討することが、公正な分与を実現するための第一歩となります。弁護士への相談も、スムーズな手続きを進める上で有効な手段です。 高額な費用はかかりますが、将来的なトラブルを回避するためにも、専門家の力を借りることが大切です。
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