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離婚による不動産名義変更と譲渡所得税:確定申告の必要性と注意点

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不動産の譲渡によって譲渡所得税(不動産を売却した利益に対してかかる税金)がかかるのかどうか、確定申告が必要なのか、放置することで不利益があるのかが知りたい。取得価格を下回っている可能性が高いと考えているが、確定申告の必要性や税務署の対応、不利益について不安を感じている。
譲渡所得税とは、不動産や株式などの資産を売却して利益(譲渡益)を得た場合に課税される税金です。一般的に、資産の売却益から取得費(購入費用や諸費用)などを差し引いた金額が課税対象となります。 しかし、すべての不動産売却に譲渡所得税がかかるわけではありません。
今回のケースでは、離婚に伴う財産分与がポイントです。財産分与とは、離婚時に夫婦の共有財産を分割することです。法律上、財産分与は贈与や売買とは異なり、譲渡所得税の課税対象とはなりません。(民法766条) つまり、離婚協議書に「財産分与」と明記されている場合、不動産の名義変更に伴い譲渡所得税は発生しません。
質問者さんのケースでは、離婚協議書に「財産分与」と記載されており、土地建物を元妻と子供に譲渡しているため、譲渡所得税はかかりません。したがって、確定申告を行う必要はありません。
* **民法766条**: 離婚時の財産分与に関する規定。財産分与は贈与や売買とは異なる法的性質を持つため、譲渡所得税の対象外となります。
* **所得税法**: 譲渡所得税に関する規定。譲渡所得税の計算方法や控除制度などが定められています。
* **取得費と時価の比較**: 取得価格を下回っているから確定申告不要、という考え方は必ずしも正しくありません。譲渡所得税の課税対象は譲渡益であり、取得費と時価の比較は直接関係ありません。しかし、財産分与の場合、譲渡益そのものが発生しないため、この点は問題になりません。
* **特別控除**: 譲渡益が3000万円以下だから特別控除を受けられる、という考え方も、財産分与の場合には適用されません。特別控除は、不動産の売却益に対して適用される制度です。
* **税務署の調査**: 税務署は不動産登記の移転情報を確認しますが、財産分与と明確にされている場合、通常は調査対象とはなりません。
離婚協議書に「財産分与」と明記されていることを確認し、その写しを保管しておきましょう。万が一、税務署から問い合わせがあった場合に備えて、離婚協議書や住宅ローンの契約書などの関連書類を保管しておくことが重要です。
離婚協議書の内容が複雑であったり、財産分与以外の要素(例えば、売買契約を伴う部分があるなど)が含まれている場合、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家であれば、個々の状況に合わせた適切なアドバイスを受けることができます。
離婚による財産分与として不動産の名義変更を行った場合、譲渡所得税はかかりません。確定申告の必要もありません。離婚協議書に「財産分与」と明記されていることを確認し、関連書類を保管しておきましょう。複雑なケースや不安な場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
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