- Q&A
離婚協議と財産分与:共有不動産と売買諸費用の扱い方

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
妻は、登記簿上の持分に加え、岳父が負担した売買諸費用相当額も財産分与の対象として加味すべきだと主張しています。しかし、売買諸費用に資産性はないと考え、財産分与の対象外ではないかと悩んでいます。法律的にどう判断されるのか知りたいです。
財産分与とは、離婚の際に夫婦が共有してきた財産を、それぞれの貢献度などを考慮して分割することです(民法760条)。 共有不動産の場合、登記簿上の持分が基本となります。 しかし、今回のケースのように、複雑な事情がある場合は、個々の事情を考慮した判断が必要になります。 特に、売買諸費用は、不動産の取得に係る一時的な費用であり、それ自体に資産価値(資産として将来的な収益を生み出す可能性)があるとは限りません。
妻の主張は、登記簿上の持分に加え、岳父が負担した売買諸費用相当額を財産分与の対象に加えるというものです。しかし、一般的に売買諸費用は、不動産の取得に要した一時的な費用であり、不動産自体とは別個の資産とみなされます。そのため、売買諸費用は財産分与の対象とはなりません。 登記簿上の持分が、財産分与における妻の持分となります。
民法760条は、離婚時の財産分与に関する規定を定めています。 この条文は、夫婦の共有財産を分割する規定ですが、その対象となるのは、資産価値を持つ財産です。 売買諸費用は、不動産の取得を円滑に進めるための費用であって、それ自体に資産価値があるとは認められません。
「岳父が負担した費用だから、妻の貢献として考慮すべき」という考え方は、感情的には理解できますが、法律的には認められにくいでしょう。 財産分与は、夫婦間の貢献度を基準に行われます。岳父は夫婦の一方ではなく、第三者です。岳父の費用負担は、妻の貢献とは直接的には結びつきません。
例えば、不動産の取得費用を夫と岳父がそれぞれ500万円ずつ負担し、登記上の持分も50%ずつだったとします。 岳父が100万円の売買諸費用を負担したとしても、財産分与において妻が受け取るべき金額は、不動産価格の50%となります。売買諸費用は、この計算には含まれません。
今回のケースのように、不動産の共有や相続、離婚が絡む複雑な財産分与は、専門家の助言を得ることが非常に重要です。 弁護士や司法書士に相談することで、正確な法律解釈に基づいた適切な対応が可能になります。特に、離婚協議が難航している場合や、高額な不動産が絡む場合は、専門家の介入が不可欠です。
離婚協議における財産分与では、登記簿上の持分が基本となります。売買諸費用は、不動産取得に係る一時的な費用であり、資産価値がないため、財産分与の対象とはなりません。複雑なケースでは、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが重要です。 感情的な判断ではなく、法律に基づいた冷静な判断が必要です。 今回のケースでは、妻の主張は法律的に認められる可能性は低いと言えます。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック