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【離婚後の住宅ローン】団信が元夫名義のままは危険!死亡時に保険が下りず残債を負うリスクと対策
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おすすめ3社をチェック離婚して、共有名義の家のローンを私が引き継ぎますが、住宅ローンとセットの団体信用生命保険(団信)は元夫の名義のままです。もし将来、元夫が亡くなった場合、団信は適用されず、私がローンを払い続けなければならないのでしょうか?
結論から言うと、その状態は極めて危険です。住宅ローンと団信の契約者が元夫のままである限り、離婚によってあなたが法的な「配偶者」でなくなった場合、元夫が亡くなっても団信の保険金が支払われない可能性が非常に高いです。
その結果、残された家に、元夫の相続人とあなたの共有名義のまま、巨額のローンだけが残るという最悪の事態になりかねません。この記事では、なぜ団信が適用されなくなるのか、その法的な理由と、あなたがその危険な状態を回避するために、離婚時に必ず行うべき手続きについて詳しく解説します。
ご主人が「自分が亡くなったらローンはなくなる」と言っているのは、住宅ローン契約時に加入した「団体信用生命保険(団信)」の効果を指しています。これは、ローン契約者が亡くなった場合に、生命保険金でローン残高が完済される、銀行のための保険です。
まず、大前提として、団信の保険金受取人は、残された家族ではなく、お金を貸している**金融機関(銀行など)**です。銀行が貸したお金を確実に回収するための仕組みなのです。
ここが最も重要なポイントです。団信を含む住宅ローン契約は、「契約者本人が、その配偶者や子供と共に居住する家」のために結ばれるのが基本です。しかし、離婚によって、あなたは法律上の「配偶者」ではなくなります。
もし、離婚後に元ご主人が亡くなった場合、金融機関や保険会社は「このローンは、もはや契約者の家族(配偶者)が住むためのものではない」と判断し、団信の適用を拒否する可能性が非常に高いのです。自殺でなくても、病気や事故など、どのような死因であっても同じです。
その結果、家にはローンだけが満額残り、その返済義務は元ご主人の法定相続人(例えば、元夫の両親や兄弟など)に引き継がれます。 あなたは、家の共有持分を持つ「元妻」として、突然現れた「元夫の相続人」と、ローンが残った家を共有するという、悪夢のような状況に陥ってしまうのです。
この最悪の事態を避けるための方法は、ただ一つです。
まず、「家の登記名義を夫から妻へ変更する」ことと、「ローンの契約者を夫から妻へ変更する」ことは、全く別の手続きであることを理解してください。金融機関との契約なしに、ローンの名義だけを勝手に変更することはできません。
最も安全で確実な方法は、離婚の条件として、**あなたが新しい契約者となり、別の金融機関(または同じ金融機関)で住宅ローンを新たに組み直す「借り換え」**を行うことです。
この「借り換え」と同時に、家の登記名義も、元ご主人の持分をあなたに移転し、**あなた一人の「単独名義」**にすることが、将来のトラブルを完全に防ぐ上で不可欠です。
最後に、今回のポイントを整理します。
離婚は、感情的な整理だけでなく、こうした法的な権利と義務の関係をきれいに清算するための、非常に重要な手続きです。中途半端な状態で共有名義やローン関係を放置しておくことは、将来のあなたと子供たちの生活を脅かす、時限爆弾を抱えているのと同じです。
あなたの年収で借り換えが可能かどうか、まずは複数の金融機関に相談してみましょう。その上で、離婚の財産分与として、家の名義変更とローンの借り換えをどう進めるか、必ず弁護士などの専門家を交えて、離婚協議書などの公正証書に明確に定めておくことを強くお勧めします。
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