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離婚後の財産分与で取得した住宅の住宅ローン控除:控除期間と計算方法を徹底解説

【背景】
* 三年前、離婚による財産分与で土地・建物を取得しました。
* 取得当初は5:5の共有名義でしたが、その後単独名義に変更しました。
* 現在、持分半分で住宅ローン控除を受けています。
* 残りの持分についても住宅ローン控除を受けたいと考えています。
* 税務署に相談したところ、新規取得扱いとなり、控除期間や計算方法について疑問が生じました。

【悩み】
* 新規取得の場合、住宅ローン控除の期間はどのように計算されるのでしょうか?(取得済みの持分と新規取得の持分、それぞれ13年間?それとも合計で13年間?)
* 控除額は単純に取得した持分の割合で計算されるのではなく、減額されるとのことですが、具体的な計算方法が分かりません。
* 具体的な数値(土地2000万、建物2000万、住宅ローン残高3700万、3年居住)を例に、控除額の計算方法を教えてほしいです。

新規取得分は13年、既存分は残りの期間。控除額は減額あり。

1. 住宅ローン控除の基礎知識

住宅ローン控除とは、住宅の取得に係る住宅ローン(抵当権を設定して借り入れた住宅資金)の支払額に応じて、所得税から控除できる制度です。 一定の要件を満たす住宅を所有し、住宅ローンを支払っている人が対象となります。控除期間は原則として10年間ですが、一定の条件を満たせば最長13年間になります。

この制度の目的は、住宅取得の促進と国民生活の安定化です。 住宅購入は高額な費用がかかるため、この控除制度によって、住宅取得の負担を軽減し、多くの人がマイホームを持つことを支援しています。

2. 今回のケースへの直接的な回答

質問者さんのケースでは、離婚による財産分与で取得した土地・建物の持分を単独名義に変更したため、税務署の判断通り「新規取得」として扱われます。 そのため、既に控除を受けている持分と、新たに単独名義となった持分は別々に計算されます。

既に控除を受けている持分については、残りの控除期間で計算されます。新規取得の持分については、その取得年度から13年間の控除期間が適用されます。 つまり、二つを合わせて新たに13年間というわけではありません。

また、控除額は単純に取得した持分の割合で計算されるわけではなく、減額されます。これは、控除対象となる住宅の価額が、取得価額ではなく、課税標準価格固定資産税評価額を基に算出される価格)に基づいて計算されるためです。

3. 関係する法律・制度

関係する法律は、所得税法です。 具体的には、所得税法第22条の2に住宅ローン控除に関する規定が定められています。 この法律に基づき、国税庁が告示や通達を出しており、控除の計算方法などが詳細に説明されています。

4. 誤解されがちなポイントの整理

よくある誤解として、「財産分与で取得した住宅は、控除期間が短くなる」というものがあります。しかし、今回のケースのように、単独名義に変更した時点で新規取得とみなされるため、必ずしも控除期間が短くなるわけではありません。 重要なのは、名義変更のタイミングと、税務署の判断です。

5. 実務的なアドバイスと具体例の紹介

質問者さんのケース(土地2000万、建物2000万、住宅ローン残高3700万、3年居住)を例に、控除額の計算方法を説明します。正確な計算には、課税標準価格の算出が必要です。これは、固定資産税評価額に基づいて算出されますので、税務署や不動産会社に確認する必要があります。

仮に、課税標準価格が3000万円だったとします。 住宅ローン控除の限度額は400万円です(令和2年度)。 控除対象となる住宅ローンの金額は、3700万円のうち、課税標準価格3000万円に相当する部分となります。 この割合を計算し、400万円に掛け合わせることで、控除額を算出します。

この計算は複雑なため、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

住宅ローン控除の計算は複雑で、税制改正などにより、毎年ルールが変更される可能性があります。 そのため、正確な計算を行うには、税理士などの専門家のアドバイスを受けることが重要です。特に、今回のように財産分与が絡むケースでは、専門家の知識と経験が不可欠です。

7. まとめ

離婚による財産分与で取得した住宅の住宅ローン控除は、新規取得として扱われ、控除期間と控除額は、既存の持分と新規の持分それぞれで計算されます。 控除額は、課税標準価格に基づいて計算され、単純な割合計算ではありません。 正確な計算には専門家の助言が必要となるため、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 複雑な税制を理解し、自身の権利を適切に主張するためにも、専門家の力を借りることは非常に有効です。

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