離婚時の財産分与について:モラハラ夫との別居、家のローンと財産の分け方
質問の概要:
【背景】
- 結婚25年、夫と1年間の別居生活を送っています。
- 別居の原因は夫からのモラハラ(モラルハラスメント)です。
- 子供は大学生2人(上の子は県外私立、下の子は隣の県のアパート)。
- 離婚の話が出た際、夫から「ローンの折半」について言及されました。
- 家のローンは月4万円弱、残り20年。ローン残高は約800万円。
- 土地は義父名義、家は夫名義。増改築費用は合計2200万円。
- 増築1700万円、外壁修繕など500万円。
- 増築費用の一部は義父と実家からの援助、自己資金も投入。
【悩み】
- 離婚時の財産分与について、具体的にどうなるのか知りたい。
- ローンの折半について、どのように考えれば良いのかわからない。
- 家の時価や増改築費用を考慮した財産分与の計算方法がわからない。
- 近々話し合いを控えており、具体的なアドバイスが欲しい。
短い回答:
財産分与は、夫婦共有の財産を公平に分けることです。家のローンも対象となり、専門家への相談も検討しましょう。
回答と解説:
テーマの基礎知識:財産分与とは?
財産分与とは、離婚時に夫婦が協力して築き上げた財産を、それぞれの貢献度に応じて分ける手続きのことです。民法では、夫婦が婚姻中に協力して築き上げた財産は、原則として夫婦の共有財産とみなされます(民法762条)。この共有財産を、離婚時に公平に分配することが財産分与の目的です。
財産分与の対象となる財産には、現金、預貯金、不動産、有価証券、自動車など、様々なものが含まれます。また、借金(負債)も財産分与の対象となる場合があります。今回のケースのように、住宅ローンもその一つです。
財産分与の方法は、夫婦間の協議(話し合い)が基本です。話し合いで合意に至らない場合は、家庭裁判所での調停や審判の手続きに進むことになります。
今回のケースへの直接的な回答:ローンの扱いと財産分与
今回のケースでは、家のローンが財産分与の対象となる可能性があります。夫が「ローンも折半」と言及しているように、住宅ローンは夫婦の共有財産とみなされる場合があるからです。
具体的には、
- ローンの残高: ローンの残高は、財産分与の際に考慮されるべき負債の一つです。
- 家の価値: 家の時価(現在の価値)も重要な要素です。不動産鑑定士に依頼して評価してもらうこともできます。
- 財産分与の方法: 財産分与の方法としては、
- 家を売却し、売却代金を夫婦で分ける
- 夫が家を所有し、妻に財産分与として一定の金銭を支払う
- 妻が家を所有し、夫に財産分与として一定の金銭を支払う
など、様々な方法が考えられます。
今回のケースでは、夫名義の家であり、ローンの残高も残っているため、上記のいずれかの方法で財産分与が行われる可能性が高いでしょう。
関係する法律や制度:財産分与と民法
財産分与に関する法律は、主に民法に規定されています。
- 民法768条: 離婚に伴う財産分与について規定しており、夫婦の一方または双方が、他方に対し、財産の分与を請求できるとしています。
- 民法762条: 夫婦間の財産の帰属について規定しており、夫婦の一方が婚姻前から有する財産、または婚姻中に自己の名で得た財産は、その特有財産とみなされます。しかし、夫婦のいずれに属するか不明な財産は、共有財産と推定されます。
これらの条文に基づき、財産分与の対象となる財産や、分与の方法などが決定されます。
誤解されがちなポイントの整理:モラハラと財産分与
モラハラ(モラルハラスメント)が離婚原因の場合、財産分与に影響を与える可能性があります。ただし、モラハラ自体が財産分与の金額を直接的に左右するわけではありません。しかし、
- 慰謝料請求: モラハラによって精神的な苦痛を受けた場合は、慰謝料を請求することができます。慰謝料は、財産分与とは別に請求できます。
- 財産分与の割合: 離婚の原因がモラハラである場合、財産分与の割合が、夫婦の貢献度に応じて調整される可能性があります。例えば、モラハラによって妻が就労を制限されていた場合、妻の貢献度が低く評価されることは不公平です。このような場合、裁判所は、妻の貢献度を高く評価する可能性があります。
モラハラの事実を証明するためには、証拠(録音、メール、日記など)を収集しておくことが重要です。
実務的なアドバイスや具体例の紹介:財産分与の計算方法
財産分与の計算は、以下のステップで行われることが一般的です。
- 財産の洗い出し: 夫婦共有の財産をすべてリストアップします。現金、預貯金、不動産、有価証券、自動車、退職金など、対象となる財産を漏れなく確認します。負債(住宅ローン、借金など)もリストアップします。
- 財産の評価: 各財産の時価を評価します。不動産の場合は、不動産鑑定士に依頼して評価してもらうのが確実です。預貯金や有価証券は、現在の残高や時価を調べます。
- 財産の合計: 共有財産の総額から、負債の総額を差し引きます。これが、財産分与の対象となる財産の総額です。
- 分与割合の決定: 財産分与の割合は、原則として夫婦それぞれ2分の1ずつです。ただし、夫婦の協力の度合いや、離婚の原因などによっては、割合が調整される場合があります。
- 分与方法の決定: 財産をどのように分けるかを決めます。現金で分与するのか、不動産を売却して分与するのか、などを話し合います。
今回のケースでは、家のローン残高、家の時価、増改築にかかった費用などを考慮して、財産分与の計算を行う必要があります。専門家である弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
専門家に相談すべき場合とその理由:弁護士の役割
財産分与について、以下のような場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
- 話し合いがまとまらない場合: 夫婦間の話し合いでは解決できない場合、弁護士に間に入ってもらい、交渉をしてもらうことができます。
- 財産の評価が難しい場合: 不動産の評価や、複雑な財産の計算が必要な場合、弁護士は専門的な知識と経験に基づいて、適切なアドバイスをしてくれます。
- モラハラによる慰謝料請求を検討している場合: モラハラの事実を証明し、慰謝料を請求するためには、証拠の収集や、法律的な手続きが必要になります。弁護士は、これらの手続きをサポートしてくれます。
- 離婚後の生活が不安な場合: 離婚後の生活設計や、養育費、親権などについても、弁護士はアドバイスをしてくれます。
弁護士に相談することで、法的なアドバイスを受け、適切な手続きを行うことができます。また、弁護士は、あなたの権利を守り、より良い解決策を見つけるために、力強い味方となってくれるでしょう。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
- 離婚時の財産分与は、夫婦共有の財産を公平に分ける手続きです。
- 家のローンも財産分与の対象となる可能性があります。
- 家の時価やローンの残高、増改築費用などを考慮して、財産分与の計算を行う必要があります。
- モラハラが離婚原因の場合、慰謝料請求や、財産分与の割合に影響を与える可能性があります。
- 財産分与について、話し合いがまとまらない場合や、専門的な知識が必要な場合は、弁護士に相談しましょう。