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離婚調停における財産分与:妻名義の貯金と夫名義の住宅ローンはどうなる?

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* 敷地内別居中の嫁姑問題が悪化し、妻が子供2人を連れて別居して約1年経過。
* 協議離婚を目指し、公正証書の作成を考えている。
【悩み】
* 協議離婚が成立せず、調停になった場合、妻名義の貯金や給与口座の残金が財産分与の対象になるか。
* 夫名義の住宅ローン(土地は義父名義)について、妻にも支払責任が発生するか。
* 6年間の婚姻期間中、妻が家計を支え、貯金も妻名義になっている。
離婚の際に、夫婦が共有してきた財産をどのように分けるかを定めるのが「財産分与」です。これは、民法760条に規定されており、婚姻関係解消に伴い、夫婦が協力して築き上げた財産を公平に分割することを目的としています。 財産分与の対象となるのは、夫婦が婚姻中に取得した共有財産(共同で所有する財産)です。 個人の名義であっても、婚姻中に取得した財産は、原則として財産分与の対象となります。ただし、結婚前に既に持っていた財産(持ち分)や相続で得た財産などは、原則として対象外です。
質問者様のケースでは、妻名義の貯金は、結婚前に貯めたものと、生活費の補填のために貯めたものとで構成されています。結婚前に貯めたものは、原則として財産分与の対象外です。生活費の補填のために貯めたものについては、婚姻中に得られた収入から貯蓄されたものであるため、原則として財産分与の対象となる可能性があります。しかし、家計を支えていたという事情、夫の給与が赤字であったことなどを考慮すると、裁判所は妻に有利な判断をする可能性が高いです。
夫名義の戸建て住宅については、土地が義父名義である点が重要です。住宅そのものは夫名義ですが、土地の所有権が義父にあるため、住宅の価値を正確に算定する必要があります。さらに、ローンが残っているため、住宅の価値からローン残高を差し引いた額が財産分与の対象となります。妻が住宅ローンの返済に責任を負うことは、通常はありません。
民法760条(財産分与)、民法770条(婚姻費用分担)が関係します。特に、財産分与は、夫婦が婚姻中に協力して築き上げた財産を、離婚時に公平に分割することを目的としています。婚姻費用分担は、離婚調停中や離婚訴訟中の生活費をどのように負担するかを定めるものです。
「妻名義だから妻のもの」という考え方は危険です。婚姻中は、たとえ名義がどちらか一人であっても、夫婦で協力して築いた財産は、共有財産とみなされる可能性があります。逆に、名義が夫であっても、妻が家計を支えていた場合は、妻の貢献が考慮される可能性があります。
調停では、それぞれの主張を証拠とともに裁判官に提示します。通帳の写し、給与明細、家計簿など、財産状況を明確に示す証拠は非常に重要です。弁護士に相談し、適切な証拠を準備することが重要です。
例えば、妻が家計を支え、夫の収入が不足していたことを示す証拠があれば、妻への有利な判決が期待できます。また、夫が妻の貢献を認める発言をしていた場合、その発言を証拠として提出することもできます。
財産分与は複雑な法律問題です。特に、高額な財産や複雑な事情がある場合は、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、適切な証拠集めや主張の方法をアドバイスし、有利な条件で離婚を進めるためのサポートをしてくれます。
妻名義の貯金は、状況によっては財産分与の対象となる可能性がありますが、妻の貢献度を考慮すると、妻に有利な判決が期待できます。夫名義の住宅ローンについては、妻が責任を負うことは通常ありません。しかし、具体的な状況によって判断は変わるため、弁護士などの専門家に相談することが重要です。 証拠をしっかり準備し、自分の権利を主張することが大切です。
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