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高齢の母から土地・建物・現金相続。兄弟で話し合い済みですが、公的な文書は必要?

【背景】
* 87歳の母、60歳の長男(私)、57歳の弟の3人家族です。
* 母と私は65坪の土地に建つ母の家と私の家が別棟で隣接して生活しています。弟は近所に住んでいます。
* 65坪の土地と建物は、母が1/2、私と弟がそれぞれ1/4ずつ所有しています。
* 母の高齢化を機に、相続について話し合った結果、弟が自分の持ち分を放棄し、代わりに母の預貯金を全て受け取ることで合意しました。
* 口頭での合意で、特に書面による契約はしていません。

【悩み】
母が存命中に、この口頭での合意を公的な文書で残しておく必要があるのかどうか、不安です。揉めないようにしたいので、何か手続きが必要であれば知りたいです。

口頭合意だけでは不安定。遺言書作成が安心です。

回答と解説

テーマの基礎知識(相続と遺言)

相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産が相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。相続人は、配偶者や子、親などです。今回のケースでは、母親が亡くなった際に、土地、建物、預貯金が長男と弟に相続されます。

遺言書(いげんしょ)とは、自分が亡くなった後の財産の分配方法などをあらかじめ決めておくための文書です。遺言書があれば、その内容に従って相続が行われます。遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言など、いくつかの種類があります。

今回のケースへの直接的な回答

口頭での合意だけでは、法的効力(法律上有効である力)が弱く、将来、トラブルになる可能性があります。特に、弟さんが自分の相続分を放棄するといった重要な合意は、公的な文書で残しておくことが望ましいです。

関係する法律や制度

民法(みんぽう)には、相続に関する規定が定められています。特に、相続放棄や遺留分(いりゅうぶん)(※相続人が最低限受け取れる相続財産の割合)といった制度が関係してきます。口頭での合意は、これらの法律に抵触する可能性もあります。

誤解されがちなポイントの整理

「兄弟仲が良いから大丈夫」という考えは危険です。いくら兄弟仲が良くても、将来、兄弟のどちらかに問題が生じる可能性や、相続人以外の人間が介入してくる可能性も考えられます。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

母が存命中に、公正証書遺言(こうせいしょうしょいげん)の作成をおすすめします。公正証書遺言は、公証役場(こうしょうやくば)で作成する遺言書で、法的効力が非常に強く、紛争を防ぐ効果が高いです。

具体的には、弟さんが相続分を放棄し、母の預貯金を全て受け取るという内容を、公正証書遺言に明記します。これにより、将来、相続に関するトラブルを未然に防ぐことができます。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続は複雑な法律問題を含むため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。特に、高額な財産や複雑な家族関係の場合には、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

口頭での合意は法的効力が弱く、将来トラブルになる可能性があります。母が存命中に、公正証書遺言を作成し、弟さんの相続放棄と母の預貯金の相続先を明確に記しておくことが、安心安全な相続を実現するための最善策です。専門家への相談も検討しましょう。

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