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高齢の母と娘が暮らす実家、相続と名義変更の悩ましい問題:姉との遺産分割トラブル回避策

質問の概要

昨年9月に父が亡くなり、母(87歳)と娘(56歳・私)が父名義の家に二人で暮らしています。近所に姉家族が住んでいます。当初は、母名義に変更し、母が亡くなった後に姉と私で不動産を折半する予定でしたが、姉が反対しています。母は高齢なので、このまま不動産の名義変更をせず、固定資産税などを私たちが負担し、母の死後に相続手続きをすることは可能でしょうか?何か法律に抵触するのでしょうか?
【背景】
* 父が昨年9月に亡くなりました。
* 母と娘(質問者)が父名義の家に同居しています。
* 近所に姉家族が住んでいます。
* 姉が遺産分割に反対しています。
【悩み】
* 母が高齢なため、すぐに不動産の名義変更をするべきか迷っています。
* 名義変更をせずに、母の死後に相続手続きをすることは可能なのか知りたいです。
* 法律に違反する可能性があるか心配です。

母名義への変更は不要。母の死後に相続手続き。

相続開始と相続人の確定

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。質問者のお父様の死によって相続が開始され、相続人は、お母様と質問者様、そしてお姉様の3名となります。 相続開始時点では、お父様の財産は、法的には相続人全員の共有財産となります(民法877条)。 つまり、お父様の家は、お母様、質問者様、お姉様の3人で所有している状態なのです。

現状維持と固定資産税の負担

法律上、お父様の家の名義変更をすぐにしなくても問題ありません。 現状維持のまま、固定資産税などを質問者様と母親で負担することは可能です。ただし、これはあくまで事実上の負担であり、法的にも明確にしておく必要があります。例えば、お母様と質問者様で負担割合を決め、その内容を文書で残しておくことが望ましいです。

相続税の申告

お父様の遺産の総額が一定額(2024年1月1日現在、相続税の基礎控除額は4,700万円)を超える場合は、相続税の申告が必要です(相続税法)。 相続税の申告は、相続開始から10ヶ月以内に行う必要があります。 この際、お父様の家の評価額も相続税の計算に含まれます。

姉との遺産分割協議

お母様がお亡くなりになった後、遺産分割協議(相続人全員で遺産の分け方を決める手続き)を行う必要があります。 この協議で、お父様の家の所有権をどのように分けるかを決めます。 姉の方と円滑な協議を行うため、事前に弁護士などの専門家にご相談することをお勧めします。

誤解されがちなポイント:名義変更と相続

名義変更は、所有者の変更手続きです。相続は、法律に基づいて財産が相続人に移転することです。 名義変更は相続手続きの一部ですが、相続手続きそのものではありません。 相続が完了する前に名義変更することは可能ですが、相続税の計算や、相続人全員の合意が得られていない場合、トラブルに発展する可能性があります。

実務的なアドバイス:記録の保持

固定資産税などの負担を明確にするために、領収書や振込明細などを保管しておきましょう。 また、お母様と質問者様で、負担割合やその理由などを記した文書を作成し、保管しておくことも有効です。 これは、将来の遺産分割協議で、有利な証拠となる可能性があります。

専門家に相談すべき場合

遺産分割協議が難航した場合、または相続税の申告に不安がある場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家は、法律や税制に精通しており、適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。 特に、姉との関係が悪化している場合は、早期の専門家への相談が重要です。

まとめ

高齢の母と暮らす実家の相続問題では、すぐに名義変更する必要はありません。 しかし、固定資産税の負担や将来の遺産分割協議に備え、記録をきちんと残し、必要に応じて専門家に相談することが重要です。 姉との良好な関係を維持しながら、冷静に手続きを進めることが大切です。

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