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高齢の母と相続・後見人制度:認知症と相続、親族間のトラブル回避策

【背景】
* 父が急死し、相続手続きを進める必要に迫られました。
* 母は入院中で、薬の副作用による認知症と幻覚症状があり、余命も短いと言われています。
* 親戚は兄を母の後見人にしようとしており、母の相続分を兄に相続させようとしています。

【悩み】
父が亡くなったことによる母の相続分を、親戚が後見人になって兄に相続させることは可能なのか?また、母が元々持っていた財産については、法律の抜け道のようなものを使って兄が相続できる可能性はあるのか?後見人制度について詳しく知りたいです。

母の相続分は後見人を通して兄に相続させることはできません。母自身の財産については、状況次第で相続の可能性があります。

相続と後見人制度の基礎知識

まず、相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産が相続人に引き継がれる制度です。相続人は、法律で定められています。今回のケースでは、ご兄弟が相続人となります。後見人制度は、判断能力が不十分な人のために、財産管理や身上保護を行う人を法的に定める制度です。後見人には、成年後見人(判断能力が不十分な成年者)、未成年後見人(未成年者)などがあります。

今回のケースへの直接的な回答

ご質問の「父が亡くなったことによる母の相続分を、親戚が後見人になって兄に相続させることは可能なのか?」に対する答えは、基本的に**不可能**です。後見人は、被後見人(判断能力が不十分な人)の利益のために活動しなければならず、自分の利益のために被後見人の財産を自由に処分することはできません。仮に、兄が母の成年後見人となり、母の相続分を自分のものにするような行為は、**自己取引**(後見人が自分の利益のために被後見人の財産を扱うこと)にあたる可能性が高く、法律違反となります。

母が元々持っていた財産について

一方、「母が元々持っていた財産については、法律の抜け道のようなものを使って兄が相続できる可能性はあるのか?」という点については、状況次第です。母が認知症であるため、**遺言書**(自分の死後の財産の分配方法を定めた書面)を作成しているか、していないかで大きく変わってきます。

もし遺言書があり、母が兄に全財産を相続させる旨を記載していれば、兄が相続できます。しかし、遺言書がない場合は、法定相続(法律で定められた相続割合)に従って相続が行われます。この場合、兄とご質問者様で相続することになります。

民法と成年後見制度に関する法律

相続に関する法律は主に民法、成年後見制度に関する法律は成年後見制度に関する法律が関係します。これらの法律に基づき、裁判所が後見人の選任や財産管理の方法を決定します。

誤解されがちなポイントの整理

後見人制度は、被後見人の利益を最優先する制度です。親族が後見人になったとしても、被後見人の財産を自由に処分できるわけではありません。税理士さんの仰る「法律の抜け道」とは、遺言書の存在や、相続開始後の手続きの不備などを指している可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

まず、母の財産状況を正確に把握することが重要です。次に、専門家(弁護士、司法書士)に相談し、母の成年後見人選任の手続きを進めることをお勧めします。後見人が選任されれば、母の財産管理を適切に行うことができます。相続に関しても、専門家のアドバイスを得ながら、公平で円満な相続を目指しましょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続や後見人制度は複雑な法律問題です。親族間でトラブルになる可能性も高く、専門家の助言なしに手続きを進めることはリスクが大きいです。特に、ご家族の中に認知症の方がいる場合、専門家のサポートは不可欠です。

まとめ

母の相続分を兄に相続させることは、原則としてできません。しかし、母の個人財産については、遺言書や法定相続のルールに従って相続が行われます。相続や後見人制度に関する手続きは複雑なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。早めの相談が、トラブルを防ぎ、円滑な手続きを進める上で非常に重要です。

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