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高齢の母の介護と遺産相続:兄弟間の遺産放棄撤回は可能?6年前の約束と現状の葛藤
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当初、兄に不動産の遺産放棄を約束しましたが、現状を鑑みて、その放棄を撤回し、法定相続分を分けてもらいたいと考えています。それが可能かどうか知りたいです。
遺産相続とは、亡くなった人の財産(不動産、預金など)が、法律に基づいて相続人に引き継がれることです。相続人は、配偶者、子、父母などです。相続放棄とは、相続人が相続の権利を放棄することです。 相続放棄は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に行う必要があります(民法第1015条)。 一度放棄した相続権は、原則として取り消すことはできません。 しかし、例外的に、重大な事情変更があった場合は、裁判所に撤回を認めさせる可能性があります。
質問者様のケースでは、6年前に兄への遺産放棄を約束し、遺言書にも記載されています。 しかし、母の認知症の進行や義姉の対応など、当初想定していなかった状況の変化が生じています。 この状況変化が、裁判所において「重大な事情変更」と認められるかどうかが、遺産放棄撤回を認められるかの鍵となります。 簡単に撤回できるとは言い切れません。
このケースでは、民法(特に相続に関する規定)が関係します。 特に、相続放棄に関する規定(民法第1015条)と、遺産分割に関する規定が重要になります。 また、母の認知症の状況によっては、成年後見制度(成年後見人を選任し、母の財産管理や身上監護を行う制度)も関係してくる可能性があります。
「遺言書に記載されているから絶対変更できない」と誤解されている方が多いですが、遺言書の内容も、状況の変化によっては裁判によって変更される可能性があります。 重要なのは、状況の変化が「重大な事情変更」に該当するかどうかです。 これは、個々の事情によって判断が大きく変わるため、専門家の意見を聞くことが非常に重要です。
兄との話し合いが最も重要です。 現在の状況を丁寧に説明し、理解を求めることが先決です。 話し合いがまとまらない場合は、弁護士などの専門家に相談し、法的措置を検討する必要があります。 裁判になった場合、証拠となる資料(遺言書、介護記録、医療診断書など)が必要になりますので、大切に保管しておきましょう。
兄との話し合いが難航したり、遺産分割の方法に迷ったりする場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。 法律の専門家は、状況を的確に判断し、最適な解決策を提案してくれます。 特に、遺産放棄の撤回は、裁判になる可能性が高いため、専門家のサポートは不可欠です。
遺産放棄の撤回は容易ではありませんが、状況によっては認められる可能性があります。 重要なのは、現在の状況が「重大な事情変更」に該当するかどうかの判断です。 兄との話し合い、そして専門家への相談が、問題解決の鍵となります。 早めの行動が、より良い解決につながります。 感情的にならず、冷静に、そして法的根拠に基づいた対応を心がけましょう。
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