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高齢の母の土地、生前贈与の評価額と兄弟間のトラブル解決策
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* 生前贈与における土地の評価額はどのように算定すれば良いのか分かりません。
* 認知症の母名義の土地を、勝手に財産分与しても良いのか不安です。
* 兄弟間で意見が合わず、解決策が見出せません。
高齢の親名義の不動産を巡る相続や生前贈与は、家族間のトラブルに発展しやすいデリケートな問題です。今回は、認知症の母名義の土地の生前贈与における評価方法と、兄弟間の紛争解決策について解説します。
生前贈与とは、生きているうちに財産を贈与することです(贈与税の対象となります)。土地の評価は、贈与税の計算に大きく影響します。贈与税の計算には、土地の評価額が重要になります。一般的には、固定資産税評価額(市町村が課税のために算定した土地の価格)が基準となりますが、必ずしもそれが唯一の基準ではありません。
固定資産税評価額は、土地の所在地、地積、地目(宅地、田畑など)、用途、形状などを考慮して算出されます。しかし、これはあくまで税金計算のための評価であり、市場価格とは必ずしも一致しません。市場価格をより正確に反映したい場合は、不動産鑑定士による鑑定評価が必要となる場合があります。
質問者様のご希望通り、固定資産税評価額をベースに、預貯金と合わせて兄弟で按分するという方法も考えられます。しかし、兄様が不動産鑑定による高額評価を主張している状況では、公平な分割が難しく、紛争が長期化する可能性があります。そのため、まずは話し合いの場を設け、それぞれの主張を丁寧に聞き合うことが重要です。
このケースでは、民法(相続、贈与に関する規定)が関係します。特に、認知症の母が意思表示能力を有しているか(意思能力)が重要です。意思能力がない場合、贈与契約は無効となる可能性があります。また、成年後見制度を利用することで、母の財産管理を専門家に委託することも可能です。しかし、質問者様は後見制度の利用を希望されていないとのことです。
固定資産税評価額は、土地の市場価格を必ずしも正確に反映しているとは限りません。古い評価額の場合、実際の市場価格より低い可能性があります。逆に、開発計画などによって、市場価格が評価額を大きく上回ることもあります。そのため、固定資産税評価額だけで判断するのは危険です。また、認知症の親の財産を勝手に処分することは、法律違反となる可能性があります。
まず、兄弟間で冷静に話し合い、それぞれの主張を理解し合うことが重要です。話し合いが難航する場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、公正な評価方法を提案し、紛争解決に向けてサポートしてくれます。例えば、不動産鑑定士による鑑定評価を行い、その結果を基に話し合いを進めるという方法もあります。また、仲裁人(中立的な第三者)を立てて、話し合いを円滑に進めることも有効です。
兄弟間で合意形成が困難な場合、または認知症の母の財産管理に関する法律的な問題が生じた場合は、必ず専門家に相談しましょう。弁護士や司法書士は、法律に基づいた適切なアドバイスと、紛争解決のためのサポートを提供してくれます。不動産鑑定士は、土地の市場価格を正確に評価します。専門家の力を借りることで、トラブルを回避し、公平な解決に導くことができます。
高齢の親の土地を巡る生前贈与は、複雑な問題です。固定資産税評価額は一つの参考資料として活用できますが、必ずしも市場価格と一致するとは限りません。兄弟間で意見が対立する場合は、弁護士や司法書士、不動産鑑定士などの専門家に相談し、公正かつ円満な解決を目指しましょう。早めの専門家への相談が、後々のトラブルを防ぐことに繋がります。
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