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高齢の祖母の相続と任意後見人制度:引きこもり兄弟との遺産分割と将来への備え
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おすすめ3社をチェック母が亡くなり、高齢で介護が必要な祖母を施設に入所させて面倒を見ている。祖母には私と引きこもりの兄しか身寄りはおらず、祖母名義の不動産をいくつか所有している。祖母は遺言書の作成を考えているが、どのように財産を分けたら良いか分からず、また、高齢による意思決定能力の低下も心配している。そこで、任意後見人制度について、相続税、兄の相続後の生活、将来的なリスクについて知りたい。
【背景】
【悩み】
任意後見人制度とは、将来、判断能力が低下する可能性のある人が、自ら選んだ後見人に、財産管理や身上保護(生活全般の世話)を委任する制度です。成年後見制度の一種で、本人の意思を尊重しながら、将来に備えることができます。判断能力が不十分になった場合、家庭裁判所の許可を得て、後見人がその人の代わりに法律行為を行うことができます。質問者様の場合、祖母が判断能力を失う前に、任意後見契約を結び、質問者様が後見人になることが考えられます。これにより、不動産売却などの手続きをスムーズに進めることが可能になります。
祖母が亡くなった後の相続では、相続財産(不動産や預貯金など)を相続税の申告をしなければなりません。相続税の計算は、相続財産の総額から、葬式費用や借金などの控除を行い、課税対象となる相続額を算出します。相続税の税率は、相続額によって異なり、高額な相続財産ほど高い税率が適用されます。兄が全く収入がない場合、相続税の支払いが困難になる可能性があります。その場合は、納税猶予や物納(不動産を税金代わりに国に納めること)といった制度を利用する方法があります。しかし、これらの制度を利用するには、一定の条件を満たす必要があります。専門家への相談が不可欠です。
兄が引きこもりで不動産の管理が困難な場合、成年後見制度の活用も検討できます。成年後見人を選任することで、兄の財産管理や生活の支援を行うことができます。また、兄が土地の収入だけでは生活が困難になり、生活保護を受ける可能性も考慮する必要があります。生活保護を受けるためには、一定の資産制限があります。土地が売却できない場合、生活保護の受給が難しくなる可能性も考えられます。
相続と生活保護は、しばしば混同されますが、別々の制度です。相続は、被相続人の財産が相続人に移転する制度であり、生活保護は、生活に困窮している人に最低限の生活を保障する制度です。相続によって財産を得たとしても、その財産が生活保護の受給に影響を与える可能性があります。特に、高額な財産を相続した場合、生活保護の受給は難しくなります。
相続や成年後見制度は複雑な手続きを伴います。専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。まずは、税理士に相続税の試算を依頼し、弁護士に相続手続きや成年後見制度について相談しましょう。また、不動産会社に不動産の売却について相談し、売却戦略を立てることも重要です。
相続税の計算が複雑な場合、相続財産が不動産などの高額な資産を含む場合、相続人の中に判断能力が不十分な人がいる場合、相続人同士で遺産分割で争いが生じる可能性がある場合などは、必ず専門家に相談しましょう。早めの相談が、トラブル防止につながります。
高齢者の相続と介護は、多くの課題を伴います。任意後見人制度の活用、相続税対策、引きこもり兄弟への支援策など、様々な角度から計画的に準備を進めることが重要です。専門家の力を借りながら、安心して相続手続きを進められるよう、早めの準備を心がけましょう。特に、祖母の高齢化に伴う意思決定能力の低下への備えは、早急な対応が求められます。
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