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高齢の連帯保証人が亡くなった後、残債はどうなる?相続放棄と債務の行方

【背景】
* 私の父が銀行から融資を受け、土地建物を担保に設定していました。
* 父と連帯保証人になっていた祖父母が、相次いで亡くなりました。
* 父の相続人は全員相続放棄をしました。
* 担保の土地建物は競売にかけられましたが、まだ1000万円近い借金が残っています。
* 連帯保証人の祖父母は80歳を超え、認知症の症状も出ており、支払い能力はありません。

【悩み】
祖父母が亡くなった後、残りの借金はどうなるのか不安です。祖父母の相続人が、残りの借金を相続するのでしょうか?

連帯保証人の相続人は、残債を相続します。ただし、相続放棄が可能です。

連帯保証契約と債務の承継

連帯保証契約とは、債務者(借金をする人)が借金を返済できなくなった場合、保証人が債務者と同じように借金を負うことを約束する契約です。 債務者と連帯保証人が両方亡くなった場合でも、債務そのものは消滅しません。 この場合、債務は連帯保証人の相続人に引き継がれます(民法第442条)。 相続人は、亡くなった連帯保証人の財産を相続することになりますが、その財産には債務も含まれます。

今回のケースにおける債務の帰属

質問者様のケースでは、債務者である父と連帯保証人である祖父母が亡くなっています。 父は相続放棄されているため、父の債務は相続人に引き継がれません。しかし、連帯保証人である祖父母の債務は、祖父母の相続人に引き継がれます。相続人は、祖父母の遺産(預金や不動産など)を相続するのと同時に、残債1000万円を負うことになります。

相続放棄について

相続人は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をすることができます(民法第915条)。 相続放棄をすれば、祖父母の遺産(もちろん債務も)を相続する義務を免れることができます。 ただし、相続放棄は、祖父母の遺産全体を放棄することになります。 祖父母に預金などの財産があれば、それも放棄することになります。 相続放棄は、メリットとデメリットを十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。

誤解されやすい点:相続放棄の期限

相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に行わなければなりません。相続開始とは、相続人が亡くなった時です。 この期限を過ぎると、相続放棄ができなくなってしまうので注意が必要です。 期限内に手続きを完了させるためには、専門家への相談が不可欠です。

実務的なアドバイス:相続放棄の手続き

相続放棄は、家庭裁判所への申述が必要です。 自分で手続きを行うことも可能ですが、複雑な手続きや書類作成が必要なため、弁護士や司法書士などの専門家への依頼が推奨されます。 専門家は、手続きの進め方や必要な書類についてアドバイスし、手続きをスムーズに進めることができます。

専門家に相談すべき場合

相続放棄の手続きは複雑で、期限も厳格に定められています。 少しでも不安な点があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスを行い、最善の解決策を見つけるお手伝いをします。 特に、高齢の相続人がいたり、遺産に複雑な事情がある場合は、専門家のサポートが不可欠です。

まとめ:相続放棄の重要性と専門家への相談

連帯保証人の死亡後、残債は相続人に引き継がれますが、相続放棄をすることでその責任から逃れることができます。しかし、相続放棄には期限があり、手続きも複雑なため、専門家への相談が重要です。 早めの行動と専門家のアドバイスによって、適切な対応が可能になります。 残債問題だけでなく、相続に関する手続き全般をスムーズに進めるためにも、専門家の力を借りることを検討しましょう。

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