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高齢者5名共有の土地・家屋売却:承諾得られず、打開策はある?

【背景】
* 親から土地と家を相続しました。
* 兄弟5人(全員70歳以上)で共有登記されています。
* 老朽化が進み、修繕費も負担になっています。
* 売却して老後の生活資金に充てる計画です。
* 買いたいという申し出もあります。
* しかし、兄弟1人が売却に反対しています。

【悩み】
兄弟1人の反対により、土地と家の売却ができません。高齢で、早急に売却を進めたいのですが、どうすれば良いのでしょうか?

共有持分の買取、または裁判による売却が可能です。

回答と解説

共有不動産の基礎知識

不動産(土地や建物)を複数人で所有する状態を「共有」といいます。今回のケースでは、兄弟5人で土地と家を共有しています。共有状態では、原則として全員の同意がなければ、売却などの重要な処分行為を行うことができません。これは民法(日本の法律)で定められています。

今回のケースへの直接的な回答

残念ながら、1人の兄弟が反対している限り、全員の合意を得ずに土地と家を売却することはできません。しかし、諦める必要はありません。以下の2つの方法があります。

1. **反対する兄弟の持分を買取る:** 4人の兄弟で話し合い、反対する兄弟の共有持分を買い取ります。買い取る金額については、兄弟間で話し合うか、不動産鑑定士に評価を依頼する必要があります。

2. **共有物分割請求の訴訟:** 話し合いがまとまらない場合は、裁判所に「共有物分割請求」(民法300条)の訴訟を起こすことができます。裁判所は、共有不動産を分割するか、売却して代金を分割するよう命じる判決を下す可能性があります。この場合、弁護士に依頼することが必要になります。

関係する法律や制度

* **民法第300条(共有物分割請求):** 共有者が共有物の分割を請求できることを定めています。分割が困難な場合は、売却して代金を分割することも認められています。
* **民事訴訟法:** 裁判手続きに関する法律です。共有物分割請求訴訟を行う際には、この法律に基づいて手続きを進めます。

誤解されがちなポイントの整理

「全員の同意が必要」という点を誤解しないようにしましょう。話し合いが不調に終わったとしても、諦める必要はありません。法律に基づいた手続きを踏むことで、売却を進めることができます。また、高齢であることや、老朽化していることなどは、裁判において考慮される可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

* まずは、反対している兄弟とじっくり話し合い、売却の必要性やメリットを丁寧に説明しましょう。
* 話し合いが難航する場合は、弁護士や司法書士に相談し、法的措置についてアドバイスを求めることが重要です。
* 不動産鑑定士に依頼して、土地と家の適正価格を評価してもらうことで、買い取り交渉や裁判での主張に役立ちます。
* 具体的な売却方法(仲介業者への依頼など)は、弁護士や司法書士と相談しながら決定しましょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

* 話し合いが全くまとまらず、行き詰まっている場合。
* 裁判手続きが必要になった場合。
* 法律的な知識が不足しており、適切な手続きがわからない場合。
* 相続税や譲渡所得税などの税金に関する相談が必要な場合。

弁護士や司法書士は、法律の専門家です。適切なアドバイスを受け、スムーズに売却を進めるために、専門家の力を借りることが重要です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

高齢で共有されている土地と家の売却は、1人の反対があっても諦める必要はありません。反対する兄弟の持分を買取る、または裁判による共有物分割請求という手段があります。しかし、法律的な手続きは複雑なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することが、円滑な解決への近道です。早急に解決したいという気持ちは理解できますが、焦らず、専門家の力を借りながら、一つずつ問題を解決していくことが大切です。

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