収益物件選びの基本:マンションとビルの違いを知ろう
収益物件とは、家賃収入を得ることを目的として所有する不動産のことです。今回検討している一棟マンションと一棟ビルは、どちらも収益物件の代表的な形態です。
一棟マンションは、複数の住戸(部屋)で構成されており、各住戸を賃貸に出すことで家賃収入を得ます。一方、一棟ビルは、オフィスや店舗などのテナントが入居し、そこから家賃収入を得ます。一棟ビルは、テナントの種類によって、オフィスビル、商業ビル、テナントビルなどと呼ばれます。
どちらの物件を選ぶかは、投資家の目的やリスク許容度、そして市場の状況によって異なります。それぞれの物件には、異なるメリットとデメリットがあり、それらを理解することが重要です。
一棟マンションのメリットとデメリット
一棟マンションの主なメリットは以下の通りです。
- 安定した収入:複数の住戸から家賃収入を得るため、一部の空室が出ても、他の住戸からの収入でカバーしやすいです。
- 需要の安定性:住居としての需要は、景気変動の影響を受けにくい傾向があります。
- 管理のしやすさ:管理会社に委託することで、比較的容易に管理できます。
一方、デメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 空室リスク:すべての部屋が埋まらない場合、収入が減少します。
- 修繕費:建物の老朽化に伴い、大規模修繕が必要となり、費用がかかります。
- 入居者とのトラブル:騒音問題や家賃滞納など、入居者とのトラブルが発生する可能性があります。
一棟ビルのメリットとデメリット
一棟ビルの主なメリットは以下の通りです。
- 高利回り:一般的に、一棟マンションよりも高い利回りが期待できます。
- 長期契約:テナントとの契約期間が長いため、収入が安定しやすいです。
- 資産価値の向上:立地条件が良いビルは、資産価値が上昇する可能性があります。
一方、デメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 空室リスク:テナントが退去すると、収入が大幅に減少します。
- 景気の影響を受けやすい:テナントの業績が悪化すると、賃料の減額や退去につながることがあります。
- 管理の複雑さ:マンションよりも、専門的な知識や管理能力が必要となります。
1億円で購入できる物件の選び方
1億円という予算で、一棟マンションまたは一棟ビルを購入する場合、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
立地条件:
まず、物件の立地条件が重要です。人口が多い地域や、交通の便が良い場所、商業施設が充実している場所など、需要が見込めるエリアを選ぶことが重要です。一棟マンションであれば、駅からの距離や周辺の生活環境、一棟ビルであれば、オフィス街へのアクセスや周辺の競合などを考慮しましょう。
物件の状態:
次に、物件の状態を確認しましょう。建物の築年数や、修繕の履歴、設備の状況などを確認し、将来的な修繕費用を見積もることが重要です。特に、大規模修繕が必要な場合は、費用が大きくなるため、事前に把握しておく必要があります。
利回り:
利回りは、投資効率を示す重要な指標です。表面利回り(年間家賃収入÷物件価格)だけでなく、経費を差し引いた実質利回りも確認しましょう。ただし、高利回り物件は、リスクも高くなる傾向があるため、注意が必要です。
入居率:
一棟マンションの場合、入居率が高いほど、安定した収入が見込めます。過去の入居状況や、周辺の賃貸相場などを参考に、入居率の見通しを立てましょう。一棟ビルの場合は、テナントの業種や契約期間なども考慮する必要があります。
収益物件選びで考慮すべき法律と制度
収益物件の購入には、関連する法律や制度を理解しておく必要があります。
都市計画法:
都市計画法は、都市の計画的な発展を目的とした法律です。用途地域(建物の種類や用途を制限する地域)や、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)、容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)などが定められています。これらの制限は、物件の価値や、将来的な活用方法に影響を与える可能性があります。
建築基準法:
建築基準法は、建物の構造や設備に関する基準を定めた法律です。耐震性や防火性など、建物の安全性を確保するための基準が定められています。物件を購入する際には、これらの基準を満たしているか確認する必要があります。
不動産登記法:
不動産登記法は、不動産の権利関係を明確にするための法律です。物件の所有権や、抵当権などの権利関係は、登記によって公示されます。物件を購入する際には、登記簿謄本(現在の登記事項証明書)を確認し、権利関係に問題がないか確認する必要があります。
固定資産税・都市計画税:
不動産を所有すると、固定資産税と都市計画税が課税されます。これらの税金は、物件の価値や所在地によって異なります。購入前に、これらの税金の見積もりを行い、維持費を把握しておく必要があります。
誤解されがちなポイント
収益物件選びでは、いくつかの誤解がされがちです。以下に、代表的な誤解とその解説を示します。
高利回りの物件は必ず良い?
高利回りの物件は魅力的に見えますが、必ずしも良い物件とは限りません。高利回りの物件は、空室リスクが高かったり、修繕費用が大きかったり、何かしらのリスクを抱えている可能性があります。利回りだけでなく、物件の状態や立地条件、周辺の賃貸相場などを総合的に判断することが重要です。
築年数が古い物件はダメ?
築年数が古い物件でも、必ずしも悪いわけではありません。古い物件は、価格が安く、高利回りが期待できる場合があります。ただし、修繕費用や、設備の交換費用など、将来的な費用を考慮する必要があります。また、耐震基準を満たしているかどうかも確認しましょう。
管理は自分でやるのが一番?
管理を自分でやると、コストを抑えることができますが、時間や手間がかかります。特に、複数の物件を所有している場合や、本業がある場合は、管理会社に委託することを検討するのも良いでしょう。管理会社に委託することで、入居者対応や、修繕、清掃などを任せることができ、本業に集中できます。
実務的なアドバイスと具体例
具体的な物件選びの際には、以下の点を参考にしてください。
情報収集:
まずは、情報収集から始めましょう。不動産会社のウェブサイトや、不動産情報サイトなどを活用し、希望するエリアの物件情報を収集します。気になる物件があれば、現地調査を行い、周辺環境や、建物の状態を確認しましょう。
資金計画:
次に、資金計画を立てましょう。自己資金や、融資の利用などを考慮し、購入可能な物件の価格帯を決定します。購入後の維持費(固定資産税、修繕費、管理費など)も考慮し、無理のない資金計画を立てることが重要です。
専門家への相談:
物件選びや、資金計画について、専門家(不動産会社、ファイナンシャルプランナーなど)に相談することもおすすめです。専門家のアドバイスを受けることで、より適切な物件選びや、資金計画を立てることができます。
具体例:
例えば、1億円の予算で、都心から電車で30分程度のエリアで、一棟マンションを購入する場合を考えてみましょう。築年数が比較的新しく、入居率が高い物件を探します。表面利回りだけでなく、実質利回りも確認し、ローンの返済額や、管理費などを差し引いた手残りの金額を計算します。また、将来的な修繕費用を見積もり、資金計画に組み込みます。
一棟ビルを購入する場合は、オフィスビル、商業ビル、テナントビルなど、様々な種類があります。立地条件や、テナントの業種、契約期間などを考慮し、安定した収入が見込める物件を探します。空室リスクを軽減するために、複数のテナントが入居している物件を選ぶことも重要です。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 不動産投資が初めての場合:不動産投資の知識や経験がない場合は、専門家のアドバイスを受けることで、リスクを軽減し、より適切な物件選びができます。
- 税金や法律に関する疑問がある場合:税金や法律に関する専門知識が必要な場合は、税理士や弁護士に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
- 資金計画に不安がある場合:資金計画に不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーに相談することで、無理のない資金計画を立てることができます。
- 物件選びで迷っている場合:複数の物件で迷っている場合や、物件の比較検討が難しい場合は、不動産会社に相談することで、客観的なアドバイスを受けることができます。
専門家は、物件選びのノウハウや、税金、法律に関する知識を持っているため、安心して相談できます。
まとめ:賢い収益物件選びのポイント
今回の重要ポイントをまとめます。
- 一棟マンションと一棟ビル、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の投資目的に合った物件を選ぶ。
- 1億円の予算内で購入できる物件の立地条件、物件の状態、利回り、入居率などを総合的に判断する。
- 関連する法律や制度を理解し、税金や維持費を考慮した資金計画を立てる。
- 専門家(不動産会社、ファイナンシャルプランナーなど)に相談し、客観的なアドバイスを受ける。
収益物件選びは、慎重な検討が必要です。今回の情報を参考に、ご自身の状況に合った、最適な物件を見つけてください。

