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2世帯住宅購入後の確定申告!親名義じゃないローン返済の正しい申告方法とは?

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初めての確定申告で、私のローン返済分をどのように申告すれば良いのか分かりません。不動産会社からは、1)私の支払い分を贈与とする、2)私の支払い分を一部贈与、一部賃貸料とする、という2つの提案がありましたが、どちらが正しいのか、また、他に良い方法があれば教えていただきたいです。
今回のケースは、親御さんが息子さんの住宅ローンの返済の一部を負担している状況です。この返済分を税務上どのように扱うかが問題となります。大きく分けて2つの考え方があります。
一つ目は「贈与」です。贈与とは、無償で財産を譲渡すること(民法第549条)です。息子さんが親御さんからお金を受け取っている、という見方です。贈与税の対象となる可能性があります。贈与税の税率は、贈与額や受贈者との関係(直系尊属など)によって異なります。
二つ目は「賃貸借」です。賃貸借とは、一定の対価(賃料)を支払うことで、不動産を借りることです(民法第604条)。親御さんが息子さんに住居の一部を借りている、という見方です。この場合、親御さんは賃料を支払い、息子さんは家賃収入を得ることになります。賃貸料は、不動産の市場価格を参考に決定する必要があります。
どちらの方法が適切かは、実際に親御さんが息子さんの住宅にどの程度居住しているか、そして、返済額が市場価格に見合った賃貸料として妥当なのかによって異なります。
例えば、親御さんが住宅の半分を占める広さに住んでおり、その分の家賃相場と親御さんの返済額がほぼ一致するなら、「賃貸借」として扱うのが適切です。逆に、親御さんがごく小さな部屋に住んでいたり、返済額が家賃相場を大きく上回っているなら、「贈与」として扱うのが妥当でしょう。
今回のケースでは、贈与税法と所得税法が関係します。贈与税は、無償で財産を受け取った際に課税される税金です。所得税は、収入に対して課税される税金です。賃貸借として扱う場合は、息子さんは家賃収入を所得として申告し、所得税を納める必要があります。
「不動産会社からの提案だから大丈夫」と安易に考えてはいけません。不動産会社は税務のプロではありません。税務上の判断は、個々の状況によって大きく変わるため、専門家のアドバイスが必要です。
例えば、親御さんが2階部分に住み、息子さんが1階に住んでいる場合、2階部分の広さや設備、地域の家賃相場などを考慮して賃貸料を算出します。この賃貸料と親御さんの返済額を比較し、差額を贈与として申告する、という方法も考えられます。
今回のケースのように、贈与と賃貸借のどちらが適切なのか判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、個々の状況を詳細に分析し、最適な申告方法をアドバイスしてくれます。間違った申告をしてしまうと、税務調査を受けたり、追徴課税(本来納めるべき税金以上に納付しなければならないこと)を受ける可能性があります。
親御さんのローン返済分の申告は、贈与と賃貸借のどちらが適切か、状況によって異なります。不動産会社からの提案を鵜呑みにせず、税理士などの専門家に相談し、適切な申告を行うことが重要です。正確な申告によって、税務上のトラブルを回避し、安心して生活できるよう心がけましょう。 贈与税や所得税に関する知識は複雑なので、専門家の力を借りることで、安心安全な確定申告を行うことができます。
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