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20年前の相続財産、返済されないまま…親族からの不正受領は救済できる?
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父から相続した財産が叔母に渡ったまま返ってきません。20年も経っており、どうすれば取り戻せるのか、不安です。葬儀費用や今後の生活のことを考えると、騙された気持ちでいっぱいです。会社経営は順調なのに、返済がないのは納得できません。
相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に承継されることです。相続財産には、預貯金、不動産、株式、保険金など、あらゆる財産が含まれます。 相続が発生すると、相続人たちは遺産分割協議を行い、相続財産をどのように分けるかを決めます。遺産分割協議は、相続人全員の合意によって行われます。合意が成立すると、遺産分割協議書を作成し、署名・押印します。この協議書は、相続財産の分配状況を明確にする重要な証拠となります。
20年も前のことですので、残念ながら、民法上の債権(お金を請求できる権利)の時効が成立している可能性が高いです。民法では、債権の請求権は、原則として10年で時効となります(一部例外あり)。ただし、時効の援用(時効を主張すること)は、債務者(叔母)が行わなければ、時効は成立しません。
現状では、叔母が時効を主張していない可能性もありますが、20年もの間、請求を放置していたことは、時効成立の可能性を高めます。
しかし、完全に諦める必要はありません。時効の援用がなされていないか、あるいは、他の法的根拠に基づいて請求できる可能性も検討する必要があります。例えば、叔母が不正に財産を管理していたと立証できれば、不当利得返還請求(相手が不正に得た利益を返還させる請求)が可能です。
今回のケースに関係する法律は、主に民法です。民法は、相続、債権、不当利得など、様々な民事上の権利義務を規定しています。特に、不当利得返還請求は、今回のケースで重要な要素となります。不当利得とは、法律上の根拠なく利益を得た状態を指し、その利益を返還させることができます。
また、相続放棄をしていなければ、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければ、相続財産を承継したとみなされます。
遺産分割協議書に署名したからといって、必ずしも財産が分与されたとは限りません。遺産分割協議書は、相続財産の分配方法を決めるための合意書であり、実際に財産が移転したことを証明するものではありません。今回のケースでは、遺産分割協議書に署名しただけで、財産が叔母に渡ったという事実が明確に証明されていません。この点が、今後の対応を難しくしている要因の一つです。
20年も経過しているため、証拠集めが非常に困難です。銀行取引明細書、遺産分割協議書、その他の関連書類をすべて集め、弁護士に相談することが最善策です。弁護士は、時効の成立状況、不当利得返還請求の可能性、証拠の有効性などを判断し、適切な法的措置をアドバイスしてくれます。
具体的には、叔母との交渉、訴訟提起など、様々な選択肢があります。
今回のケースは、時効や証拠の問題、複雑な法的判断が必要となるため、専門家である弁護士に相談することが強く推奨されます。弁護士は、法律の専門知識と経験に基づき、最適な解決策を提案し、法的手続きをサポートします。
20年前の相続問題で、親族からの不正受領を疑う状況は、法的措置を講じる必要があるかもしれません。時効の成立可能性も考慮し、速やかに弁護士に相談し、証拠を集め、適切な対応を検討することが重要です。放置すればするほど、解決が難しくなる可能性があります。早期の専門家相談が、解決への近道となるでしょう。
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