ローンの基本と、今回のケースへの適用
住宅ローンを検討するにあたり、まず基本的な知識から確認しましょう。住宅ローンは、住宅の購入やリフォームなど、住まいに関する費用を借り入れるためのローンです。多くの金融機関が提供しており、金利や返済期間、保証料など、様々な条件があります。
今回のケースでは、新築の費用とマンションのリフォーム費用をまかないたいという希望があります。自己資金として1500万円を用意でき、さらに賃料収入も見込めるという、有利な条件も存在します。しかし、ご夫婦の年収が比較的低いことが、借入可能額に大きく影響する可能性があります。
借入可能額を左右する要素
住宅ローンの借入可能額は、いくつかの要素によって決まります。主な要素をみていきましょう。
- 年収:年収が高いほど、返済能力があると見なされ、借入可能額も増える傾向にあります。一般的に、年収の5~7倍程度の借入が可能と言われています。
- 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合のことです。金融機関は、この返済負担率を基準に、ローンの審査を行います。返済負担率が高いと、ローンの審査に通らない可能性が高くなります。
- 自己資金:頭金として自己資金を多く用意することで、借入額を減らすことができます。これにより、返済負担が軽減され、審査に通りやすくなる場合があります。
- 他の借入:他のローン(自動車ローンやカードローンなど)がある場合、その返済額も考慮されます。他の借入が多いほど、借入可能額は少なくなります。
- 物件の担保価値:購入する物件の価値も重要です。万が一返済が滞った場合、金融機関は物件を売却してローンの残債を回収します。そのため、物件の価値が高いほど、融資を受けやすくなります。
今回のケースでは、ご主人の年収が300万円台、奥様の収入はパート収入ということから、年収だけを考えると、希望額である3500万~4500万円の借入は、かなり厳しい可能性があります。しかし、マンションを所有しており、賃料収入が見込めるという点が、大きなプラス要素となります。
賃料収入の活用
今回のケースで、賃料収入を住宅ローンの返済に充当するという計画は、非常に有効な戦略です。金融機関によっては、賃料収入を収入として考慮してくれる場合があります。ただし、賃料収入をどの程度考慮するかは、金融機関によって異なります。
賃料収入を収入として認めてもらうためには、以下の点が重要になります。
- 賃貸契約の有無:賃貸契約がすでに締結されているか、または賃貸契約締結の見込みがあることが重要です。
- 賃料相場:賃料相場が適正である必要があります。相場よりも低い賃料では、収入として認められない可能性があります。
- 空室リスク:空室リスクをどのように考えているか、金融機関に説明する必要があります。
今回のケースでは、マンションの賃料相場が13~17万円であり、入居者の確保も容易とのことですので、賃料収入を収入として考慮してもらえる可能性は高いと言えます。
関係する法律や制度
住宅ローンに関わる法律や制度は多岐にわたりますが、今回のケースで特に注意すべきは、以下の2点です。
- 住宅ローン控除:住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、一定期間、所得税の一部が還付される制度です。
- 不動産所得:マンションを賃貸に出すことで得られる収入は、不動産所得として課税対象となります。確定申告が必要になります。
住宅ローン控除を利用することで、税金の負担を軽減することができます。また、不動産所得については、必要経費を差し引いた金額に対して課税されるため、経費の計上も重要になります。
誤解されがちなポイント
住宅ローンに関する誤解として、以下の点が挙げられます。
- 年収だけで借入可能額が決まる:年収は重要な要素ですが、自己資金や他の借入、物件の担保価値なども考慮されます。
- 賃料収入は必ず認められる:賃料収入を収入として認めてもらうためには、様々な条件を満たす必要があります。
- 金利は固定金利が良い:金利タイプには、固定金利、変動金利、固定金利期間選択型などがあります。それぞれの金利タイプにはメリットとデメリットがあり、ご自身の状況に合わせて選択する必要があります。
実務的なアドバイスと具体例
今回のケースでは、以下の点を考慮して住宅ローンの検討を進めることをお勧めします。
- 複数の金融機関に相談する:金融機関によって、ローンの審査基準や金利、保証料などが異なります。複数の金融機関に相談し、比較検討することが重要です。
- 事前審査を受ける:住宅ローンの本審査の前に、事前審査を受けることをお勧めします。事前審査を受けることで、借入可能額やローンの可否をある程度把握することができます。
- 専門家(FPなど)に相談する:住宅ローンの借入や資金計画について、専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談することも有効です。
- 賃料収入の見積もりを詳細に行う:賃料収入をどの程度見込めるか、詳細に見積もりを行いましょう。空室リスクや修繕費なども考慮に入れる必要があります。
具体例として、仮に2000万円の住宅ローンを借り入れた場合を考えてみましょう。金利や返済期間によって、月々の返済額は異なりますが、賃料収入で返済の一部をまかなうことができれば、家計の負担を軽減することができます。例えば、月々の返済額が8万円で、賃料収入が15万円の場合、7万円が手元に残る計算になります。
専門家に相談すべき場合とその理由
今回のケースでは、以下の場合は専門家への相談を検討しましょう。
- 借入可能額が希望額に届かない場合:収入が低いことや、希望額が大きいことから、借入可能額が希望額に届かない可能性があります。専門家は、資金計画の見直しや、他の資金調達方法についてアドバイスしてくれます。
- 賃料収入の見積もりに不安がある場合:賃料収入の見積もりは、専門的な知識が必要となる場合があります。不動産鑑定士や、不動産会社に相談することで、より正確な見積もりを得ることができます。
- 税金や確定申告について不安がある場合:不動産所得や住宅ローン控除など、税金に関する知識は複雑です。税理士に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)
今回のケースでは、以下の点が重要です。
- 年収が低い場合でも、自己資金や賃料収入を有効活用することで、住宅ローンを借りられる可能性があります。
- 複数の金融機関に相談し、比較検討することが重要です。
- 専門家(ファイナンシャルプランナーや税理士など)に相談することで、より適切なアドバイスを受けることができます。
- 賃料収入を考慮する際は、空室リスクや修繕費なども考慮に入れる必要があります。
今回のケースでは、2000万円程度の借入は検討可能と思われます。ただし、最終的な借入可能額は、金融機関の審査結果によって異なります。無理のない資金計画を立て、理想のマイホームを実現してください。

