3000万円マンション購入！夫婦間の持分比率と離婚時の財産分与に関する法的有効性と税制上の注意点

【背景】
3000万円のマンションを購入予定です。夫はサラリーマンで、私は専業主婦です。頭金はゼロで、ローンを組んで購入することになります。マンションの所有権は夫名義になると思いますが、もし離婚した場合に備え、マンションの資産を折半、もしくは夫40：妻60の割合で分けるという約束を夫としています。

【悩み】
この約束を何らかの書面に残したいと考えています。口約束では不安なので、法的にも有効な書面を作成したいです。どのような書面が適切なのか、また、税制上の問題（贈与税など）はないのかが心配です。

夫婦間契約で書面化可能。公正証書が望ましい。税制上の問題は通常ない。

回答と解説

テーマの基礎知識（定義や前提の説明）

まず、夫婦間の財産分与について理解しましょう。婚姻中は、夫婦の財産は共有財産とされるのが一般的です（民法757条）。しかし、実際には、誰が名義人になっているかによって、所有権が明確に分けられます。今回のケースでは、マンションの名義が夫になるため、一見すると夫の所有物のように見えます。しかし、離婚時には、婚姻中に取得した財産は原則として、夫婦で折半されます（民法760条）。専業主婦であっても、家事や育児に貢献したことに対する貢献分が考慮されます。

今回のケースへの直接的な回答

ご質問の「夫40：妻60」という比率での財産分与に関する約束は、離婚時に裁判で争うことを避けるための予防措置として有効です。口約束ではなく、書面に残すことで、その約束の証拠となります。

関係する法律や制度がある場合は明記

関係する法律は、民法（特に第757条、第760条）、そして、書面作成に関する法律（公正証書作成に関する法律など）が挙げられます。

誤解されがちなポイントの整理

誤解されやすいのは、この契約が「贈与」とみなされるかどうかです。贈与とは、無償で財産を移転することです。今回のケースでは、離婚という条件付きで財産分与の割合を決めているため、贈与とはみなされにくいと考えられます。しかし、税務署の判断はケースバイケースなので、念のため、専門家への相談が安心です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

書面を作成する際には、以下の点を明確に記載しましょう。

当事者：夫と妻の氏名、住所
目的：マンションの財産分与に関する合意
物件：マンションの住所、価格、登記簿謄本情報など
分与比率：夫40％、妻60％
条件：離婚した場合に適用されること
日付：契約締結日
署名・押印：夫と妻の署名と押印

書面の種類としては、公正証書（公証役場で作成される、法的効力が高い書面）が最も望ましいです。公正証書であれば、強制執行（裁判所の命令に基づき、強制的に履行させること）も可能になります。簡易な誓約書でも作成できますが、法的効力は公正証書に劣ります。

専門家に相談すべき場合とその理由

税制上の問題や、契約内容に不備がないかを確認するために、弁護士や税理士に相談することをお勧めします。特に、高額な不動産を扱う場合、専門家の助言は不可欠です。

まとめ（今回の重要ポイントのおさらい）

夫婦間の財産分与に関する約束は、書面に残すことで法的効力を高めることができます。公正証書を作成することで、離婚時のトラブルを回避し、安心してマンションを購入できます。税制上の問題については、専門家に相談し、適切な対応をしましょう。専門家への相談は、将来的なリスクを軽減する上で非常に重要です。