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35年住んだアパートの退去、どこまで綺麗にするべき?大家とのトラブル

質問の概要

【背景】

  • 90歳を過ぎた叔母が、一人暮らしのアパートで余命宣告を受けました。
  • 叔母はご主人と子供に先立たれており、質問者が代わりにアパートの生前整理をすることになりました。
  • 35年間住んだアパートの部屋は、経年劣化(古くなって傷んでいること)が進んでいました。
  • 質問者は家具などを処分し、大家に部屋を引き渡そうとしましたが、大家から「汚すぎる」と追加の清掃を求められました。
  • 質問者は既に22万円をかけて部屋を片付けており、大家との交渉に困っています。

【悩み】

  • 35年間住んだ部屋を、次の入居者に貸せるレベルまで綺麗にする義務があるのか悩んでいます。
  • 大家との交渉がうまくいかず、精神的に参っています。
  • ハウスクリーニング(専門業者による部屋の清掃)の費用についても知りたいと考えています。

35年間の居住による自然な劣化は、大家が修繕すべき範囲です。追加の清掃義務は限定的で、専門家への相談も検討しましょう。

回答と解説

テーマの基礎知識:賃貸借契約と原状回復義務

賃貸借契約(アパートやマンションを借りる契約)では、借り主(入居者)には、退去時に「原状回復義務」があります。これは、借りた部屋を元の状態に戻して返す義務のことです。しかし、この「元の状態」には、いくつかの注意点があります。

まず、「通常の使用による損耗(普通に使っていたら生じる劣化)」は、原状回復の対象外です。例えば、壁紙の日焼けや、家具の設置跡、通常の使用によるフローリングの傷などは、通常の使用による損耗とみなされます。これは、35年間も住んでいれば当然生じる劣化であり、大家が負担すべき修繕費用となります。

一方、借り主の故意や過失(わざと、または不注意で傷つけた場合)による破損や、タバコのヤニ汚れ、ペットによる傷などは、原状回復の対象となります。この場合、借り主は修繕費用を負担しなければなりません。

今回のケースへの直接的な回答:どこまで綺麗にするべきか?

今回のケースでは、35年間も住んでいた部屋であり、経年劣化は避けられません。コンロ台の錆や焦げ付き、換気扇の汚れなどは、通常の使用による損耗とみなされる可能性が高いです。

質問者の方が行った22万円の片付けは、叔母様の遺品整理(亡くなった方の持ち物を整理すること)であり、原状回復とは別の作業です。大家が求める追加の清掃が、通常の使用を超える範囲である場合、質問者の方に義務はありません。

ただし、叔母様の過失による破損や、清掃を怠ったことによる著しい汚れがある場合は、修繕費用を負担する必要が生じる可能性があります。例えば、タバコのヤニ汚れが酷い場合や、ペットによる広範囲な傷がある場合などです。

関係する法律や制度:借地借家法と民法

賃貸借契約に関する法律としては、主に「借地借家法」と「民法」が関係します。

  • 借地借家法: 賃貸借契約に関する基本的なルールを定めています。原状回復義務についても、この法律の解釈が重要になります。
  • 民法: 契約に関する一般的なルールを定めています。賃貸借契約も民法に基づいており、契約内容や当事者の権利義務を定めています。

これらの法律に基づき、裁判例(過去の裁判の判例)では、原状回復義務の範囲が具体的に示されています。通常の使用による損耗は、大家が負担すべき修繕費用と判断されることが多いです。

誤解されがちなポイントの整理:敷金と原状回復

今回のケースで、敷金(家賃の滞納や、退去時の修繕費用に充当するために預けておくお金)が4万円だったとのことですが、敷金は、退去時に原状回復費用を差し引いた残額が返還されるのが原則です。

しかし、今回のケースのように、35年間の居住による自然な劣化が主な原因である場合、敷金から修繕費用を差し引くことが不当となる可能性があります。大家は、敷金以上の修繕費用を請求することはできません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:大家との交渉術

大家との交渉では、以下の点に注意しましょう。

  • 写真や証拠の確保: 部屋の現状を写真で記録しておきましょう。特に、経年劣化によるものと、借り主の過失によるものを区別できるように撮影することが重要です。
  • 内容証明郵便の活用: 大家からの要求が不当である場合、内容証明郵便(郵便局が内容を証明してくれる郵便)で、反論の内容を伝えましょう。これにより、後々のトラブルを避けることができます。
  • 専門家への相談: 不動産に関する専門家(弁護士や、不動産鑑定士など)に相談し、適切なアドバイスを受けることも有効です。

具体例として、コンロ台の錆や焦げ付きについて、35年間使用していれば当然生じる劣化であることを主張し、大家が修繕すべき範囲であることを主張できます。換気扇についても、同様に、35年間使用していれば交換時期であり、借り主の責任ではないことを主張できます。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。

  • 大家との交渉がうまくいかない場合: 専門家は、法律的な知識や交渉術を持っており、円滑な解決をサポートしてくれます。
  • 高額な修繕費用を請求された場合: 専門家は、修繕費用の妥当性を判断し、不当な請求から守ってくれます。
  • 法的トラブルに発展しそうな場合: 弁護士に相談し、法的手段を検討することも必要です。

専門家としては、弁護士、不動産鑑定士、宅地建物取引士などが挙げられます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースでは、35年間の居住による自然な劣化は、大家が修繕すべき範囲であり、追加の清掃義務は限定的です。大家との交渉が難航する場合は、専門家への相談を検討しましょう。

重要なポイントは以下の通りです。

  • 原状回復義務の範囲: 通常の使用による損耗は、原状回復の対象外です。
  • 証拠の確保: 部屋の現状を写真で記録し、証拠として残しましょう。
  • 専門家への相談: 大家との交渉がうまくいかない場合は、専門家への相談を検討しましょう。

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