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50年前の共同名義、相続問題!築50年老朽家屋の建て替えと叔父への支払い、どうすれば?
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【状況説明】母が50年前に単独で取得した土地建物の名義が祖父と母の共同名義になっています。共同名義にした理由は、当時まだ母の年齢が若かったこと、これから祖父と(祖母も)暮らしていくのにあたり、祖父の心情を慮った末の決定です。祖母は25年前に、祖父は20年前に母が介護をした末に亡くなりました。(遺言状などなし)祖父が亡くなった時点で、母はその土地建物に住み始めました。(現状で20年居住)その際、母の弟が、共同名義のままであった祖父の分のうちの自分の取り分である1/4を現金でよこせと言ってきました。そのとき母は突っぱねて、この20年現状のままです。家屋が築50年でもうボロボロのため、母のために私(長男)が二世帯住宅でも新築で建て替えようと思っているのですが、このような問題が放置されていたので、知恵を借りたく書き込みました。叔父の取り分が1/4発生しているにしても、以下の理由により心情的に支払う気持ちは母にはありません。
●土地建物は母が単独で取得した(しかし50年前のことなので売買契約書などは紛失)
●母が祖父母を介護した
●大叔母の相続問題が発生したとき、母は叔父の希望通りに相続放棄の判を速やかに押した(その代わり祖父の家のときはお願いね、と口約束をした。が裏切られたかたち)
●20年間固定資産税を払い続け、途中リフォームし、公共料金を払い居住している
【相談内容】
(1)現に叔父に1/4相当の取り分が発生している状態でしょうか?
(2)上記した理由で心情的にはビタ一文も払いたくないが、法的には支払い拒否の理由にはならないのでしょう。実際には、一般的にどういった計算で支払額が算出されるのでしょうか?例えば1/4の額から20年分の固定資産税の支払額を引いた額が支払い分になるのか、その他に加算される、減額される要素はありますでしょうか?
(3)まずは当事者同士の示談、それがダメなら調停になるのでしょうが、その他、何か解決に向けてのアイデアがありますでしょうか?
(4)どうせ1/4を支払わなければならないのなら、あえて問題を先送りしてしまうのもアリなのかなと思ってきました。常識的には、先送りにすればするほど相続人が増えて複雑になるため、早く解決しておいた方がよい、とは思うのですが、今払うのも後で払うのも、どうせ払わなきゃいけないなら、まずは建物を新築してしまって、母が亡くなり、叔父も亡くなった10数年後、叔父には妻と子供がいますが、彼らが請求してくるかもしれないし、こないかもしれない。その時は私が支払うことになるのでしょうが、むしろ土地価格は今より下がっているだろうから支払額も下がるのでは?などとも考えるのですが、このような考えについてどう思われるでしょうか?
まず、相続の基礎知識から確認しましょう。相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(相続財産)が、法律で定められた相続人(相続権を持つ人)に引き継がれることです。今回のケースでは、祖父の死亡により、祖父が所有していた土地建物の1/2が相続財産となります。相続人は、法定相続人(法律で相続権が定められている人)によって決まります。
祖父の法定相続人は、配偶者(祖母は既に亡くなっているため除外)と子(母)です。祖母が既に亡くなっているため、母の相続分は1/2となります。しかし、土地建物は祖父と母の共同名義でした。そのため、祖父の相続分である1/2を、母の相続分である1/2と区別する必要があります。
祖父の死亡により、その相続分1/2は、母の相続分と同様に、母の弟である叔父にも相続権が発生します。したがって、叔父には祖父の相続分1/2の1/2、つまり土地建物の1/4の相続権があります。
質問者様の心情的な理由(母の単独取得、介護、過去の相続放棄など)は理解できますが、残念ながら法的な根拠にはなりません。相続は法律で定められた手続きに従う必要があり、感情的な事情は考慮されにくいのが現実です。よって、叔父には1/4の相続分を支払う法的義務があります。
相続分の計算は、単純に土地建物の時価の1/4を算出するわけではありません。いくつかの要素を考慮する必要があります。
* **土地建物の時価評価:** 不動産鑑定士による評価が一般的です。これは、土地の面積、場所、地目(土地の用途)、周辺環境などを考慮して算出されます。
* **抵当権などの負担:** 土地建物に抵当権(住宅ローンなど)が設定されている場合、その額を差し引いた純粋な価値で計算されます。
* **費用:** 相続税の申告や手続き費用なども考慮される場合があります。
20年分の固定資産税の支払額は、通常、相続分計算から差し引かれることはありません。これは、固定資産税は所有者が負担する税金であり、相続とは別個のものです。
まずは、当事者間での話し合い(示談)が最善です。叔父との良好な関係を維持しつつ、支払額や支払方法について交渉しましょう。
示談が成立しない場合は、家庭裁判所の調停を利用できます。調停委員が仲介に入り、合意形成を目指します。調停でも合意に至らない場合は、訴訟という手段が残されています。
「20年間居住していたから、その分の権利がある」という考え方は、相続においては通用しません。居住期間の長さは、相続分の計算には影響しません。
弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、相続に関する法律や手続きに精通しており、適切なアドバイスやサポートをしてくれます。特に、土地建物の時価評価や相続税の申告など、専門的な知識が必要な部分があります。
相続問題の先送りは、状況を複雑化させ、解決を困難にする可能性が高いです。相続人は増える可能性があり、遺産分割協議も難航する可能性があります。土地価格の下落を期待して先延ばしにするよりも、早急に解決策を見つける方が賢明です。
叔父には土地建物の1/4の相続権があります。心情的な理由だけで支払いを拒否することはできません。専門家のアドバイスを受け、示談による解決を目指しましょう。問題を先延ばしにすることは、かえってリスクを増大させる可能性があります。
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