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7名義共有の古家撤去!不動産屋の行為は違法?全員の同意は必要?徹底解説

【背景】
実家の土地を相続したのですが、7人の兄弟姉妹で共有することになりました。古くなった家を売却しようと、不動産屋に販売を委託しました。

【悩み】
ところが、不動産屋が私達兄弟姉妹全員の同意を得ることなく、名義人の一人だけに了解を取って古家を撤去してしまいました。全員の同意が必要だと思うのですが、どうなのでしょうか?不動産屋に責任を問うことはできますか?

不動産屋の行為は違法の可能性があります。共有物の管理には全員の同意が必要です。

共有物と共有者の権利義務

まず、土地と建物の共有について理解しましょう。複数の所有者が共同で所有する財産を「共有物」(共有財産)と言います。今回のケースでは、土地と古家が7人の兄弟姉妹で共有されている状態です。共有物の管理や処分には、原則として**全員の同意**が必要です。これは民法(日本の法律)で定められています。

不動産屋の行為の違法性

不動産屋は、7名義のうちの一人だけの同意を得て古家を撤去しました。これは、共有物の管理に関する重要な事項であり、他の共有者の同意を得ずに勝手に処分したことになるため、**違法行為**の可能性が高いです。共有者の1人だけが了解したとしても、他の共有者全員の同意がない限り、共有物の重要な変更(この場合は古家の撤去)はできません。

関係する法律:民法

このケースに関係する法律は、主に民法です。民法第250条では、共有物の管理について、共有者全員の同意が必要であると規定されています。共有物の処分(売却や撤去など)も、管理行為に含まれるため、全員の同意がなければ無効となります。仮に、名義人の一人が古家の撤去を承諾していたとしても、他の共有者の同意がなければ、その行為は無効であり、不動産会社は責任を負う可能性があります。

誤解されがちなポイント:代理権の有無

不動産屋は、売買契約を媒介する立場(媒介契約)であり、共有者全員を代理する権限(代理権)は原則としてありません。そのため、一人の共有者からの承諾だけで古家を撤去することは、**代理権の逸脱**(本来の権限を超えた行為)に該当する可能性があります。

実務的なアドバイス:損害賠償請求の可能性

不動産屋の行為によって、土地の価値が下落したり、他の共有者に損害が生じた場合は、損害賠償請求を行うことができます。具体的には、古家撤去によって生じた損害額(土地価格の下落分など)を、不動産屋に請求できます。この請求には、証拠となる資料(不動産鑑定士による評価書など)が必要となるでしょう。

専門家に相談すべき場合

このケースは、法律的な知識が必要となる複雑な問題です。ご自身で解決することが難しい場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、状況を的確に判断し、適切な法的措置をアドバイスしてくれます。特に、損害賠償請求を検討する場合は、専門家の助言が不可欠です。

まとめ:共有物の管理には全員の同意が必須

共有物の管理、特に重要な変更を行う際には、**共有者全員の同意**が不可欠です。不動産屋は、共有者全員の同意を得ずに古家を撤去したことで、違法行為に問われる可能性があります。損害が発生している場合は、専門家に相談して、適切な対応を検討しましょう。共有財産に関するトラブルは、早めの対処が重要です。

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