健康と安全を守るために

ご両親が遠方へ転居するにあたり、まず最も重要なのは、健康と安全を守るための準備です。高齢になると、体調の変化や緊急時の対応が重要になります。具体的にどのようなものを用意し、どのような情報を伝えておくべきか見ていきましょう。

健康に関する情報

介護の仕事をしている方からのアドバイスにもあったように、かかりつけ医の紹介状は必須です。これには、これまでの病歴、現在服用している薬の種類と量、直近の血液検査の結果などを詳細に記載してもらいましょう。また、持病がある場合は、その病状について詳しく説明した資料も用意しておくと、新しい医療機関を受診する際に役立ちます。

緊急連絡先

緊急時の連絡先リストは、必ず持たせてください。これには、ご両親の親族、かかりつけ医、近所の頼れる人(民生委員など)、そして緊急連絡センターの電話番号を記載します。リストは、両親が常に携帯できる場所に保管し、万が一の際にすぐに連絡が取れるようにしておくことが重要です。

健康保険証と医療情報

転居先で国民健康保険の手続きを済ませたら、できるだけ早く新しいかかりつけ医を見つけるように伝えましょう。健康保険証や、これまでの医療記録(検査結果や処方箋など)も忘れずに持参してもらいましょう。また、年1回の無料健康診断を必ず受けるように促しましょう。

金銭管理と生活の基盤を整える

健康面と並んで重要なのが、金銭管理と生活基盤の準備です。遠方での生活は、慣れないことばかりで、思わぬ出費やトラブルに見舞われることもあります。事前に準備しておくことで、安心して新生活をスタートできます。

銀行口座とキャッシュカード

普段利用している銀行口座のキャッシュカードはもちろん、万が一に備えて、転居先でも利用できる銀行の口座を開設しておくことをおすすめします。公共料金の支払い方法や、年金の受給手続きについても確認しておきましょう。

緊急時のための資金

生活費とは別に、緊急時のための資金を用意しておきましょう。これは、予期せぬ病気やケガ、災害などに備えるためです。現金だけでなく、すぐに引き出せる預金も用意しておくと安心です。

生活必需品

引っ越し先で必要なものをリストアップし、事前に準備しておきましょう。特に、薬や日用品など、すぐに手に入らないものは、多めに持っていくことをおすすめします。また、新しい住居に必要な家具や家電製品についても、事前に調べておくとスムーズです。

コミュニケーションと心のケア

遠方での生活では、家族とのコミュニケーションが不足しがちです。定期的な連絡を取り合い、心のケアを行うことも重要です。

連絡手段の確保

電話、メール、ビデオ通話など、連絡手段を確保しておきましょう。スマートフォンの使い方を教え、積極的に活用するように促すことも大切です。また、定期的に電話やビデオ通話をして、近況を報告し合うようにしましょう。

地域の情報収集

転居先の地域の情報を収集しておきましょう。地域のイベントや、高齢者向けのサービスなどを調べて、積極的に参加するように促しましょう。地域のコミュニティに参加することで、孤独感を軽減し、新しい生活に馴染みやすくなります。

心のケア

新しい環境での生活は、ストレスを感じやすいものです。定期的に話を聞き、悩みや不安を受け止めるようにしましょう。必要に応じて、専門家(カウンセラーなど)に相談することも検討しましょう。

関係する法律や制度

高齢者の転居には、様々な法律や制度が関係します。事前にこれらの情報を知っておくことで、スムーズな手続きや、万が一のトラブルへの対応が可能になります。

介護保険制度

介護が必要になった場合に備えて、介護保険制度について理解しておきましょう。転居先でも、これまでと同様に介護サービスを利用できます。事前に、転居先の地域の介護保険サービスについて調べておくと良いでしょう。

成年後見制度

認知症などにより判断能力が低下した場合に備えて、成年後見制度について知っておきましょう。成年後見制度を利用することで、財産管理や身上監護をサポートしてもらえます。事前に、制度について調べておくと、万が一の際にスムーズに対応できます。

住居確保給付金

経済的に困窮し、住居を失う可能性がある場合に、住居確保給付金という制度を利用できる可能性があります。この制度は、家賃相当額を支給するもので、自立した生活を支援します。制度の利用条件や手続きについて、事前に調べておくと良いでしょう。

誤解されがちなポイント

高齢者の転居に関して、誤解されがちなポイントを整理しておきましょう。これらの誤解を解くことで、より適切なサポートが可能になります。

「一人で大丈夫」という思い込み

高齢者は、「一人で大丈夫」と思い込みがちですが、実際には、様々なサポートが必要になる場合があります。家族や地域のサポートを積極的に受け入れるように促しましょう。

「迷惑をかけたくない」という気持ち

高齢者は、「人に迷惑をかけたくない」という気持ちが強く、必要なサポートを拒否することがあります。積極的に声をかけ、困っていることがあれば、遠慮なく相談するように促しましょう。

「すべて自分でできる」という過信

高齢者は、自分の能力を過信しがちです。無理をせずに、できる範囲で生活するように促し、必要に応じて、専門家のサポートを受けるように勧めましょう。

実務的なアドバイスと具体例

実際に、ご両親が遠方へ転居する際に役立つ、実務的なアドバイスと具体例を紹介します。

転居前に、新しい住居の情報を集める

事前に、転居先の地域の情報を集めておきましょう。地域の情報誌や、インターネットなどを活用して、地域のイベントや、高齢者向けのサービスなどを調べておくと、新しい生活に馴染みやすくなります。

引っ越し業者との連携

引っ越し業者と連携し、荷物の整理や運搬をスムーズに進めましょう。高齢者の場合は、体力的な負担を考慮し、丁寧な作業を依頼できる業者を選ぶことが重要です。

近隣住民とのコミュニケーション

転居後、近隣住民とのコミュニケーションを積極的に行いましょう。挨拶をしたり、地域のイベントに参加したりすることで、新しい生活に馴染みやすくなります。

専門家に相談すべき場合

ご両親の状況によっては、専門家に相談することが必要になる場合があります。以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。

健康状態に不安がある場合

健康状態に不安がある場合は、医師や、ケアマネジャーなどの専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、適切な医療ケアや介護サービスを利用できます。

金銭管理に不安がある場合

金銭管理に不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーや、弁護士などの専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、財産管理や、相続に関する問題を解決できます。

人間関係に問題がある場合

人間関係に問題がある場合は、カウンセラーや、ソーシャルワーカーなどの専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、人間関係の問題を解決し、心のケアを行うことができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

75歳以上の両親が遠方に転居するにあたり、最も重要なのは、健康と安全を守り、安心して生活できる環境を整えることです。そのためには、以下の3つのポイントが重要です。

  • 健康と安全に関する情報の準備:かかりつけ医の紹介状、緊急連絡先リスト、健康保険証など、健康と安全を守るための情報を事前に準備しましょう。
  • 金銭管理と生活基盤の準備:銀行口座、キャッシュカード、緊急時のための資金、生活必需品など、金銭管理と生活基盤を整えましょう。
  • コミュニケーションと心のケア:定期的な連絡、地域の情報収集、心のケアなど、コミュニケーションと心のケアを大切にしましょう。

これらの準備をすることで、ご両親が遠方でも安心して、自分らしい生活を送れるようにサポートできます。心配なこと、不安なことがあれば、いつでもご家族で話し合い、必要に応じて専門家の助けを借りながら、ご両親の新しい生活を応援しましょう。