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8年越しの遺産分割協議書!住所変更と作成日不一致でどうなる?相続手続きの疑問を徹底解説
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おすすめ3社をチェック父が平成24年に他界し、不動産を相続するため遺産分割協議書を作成することになりました。相続人は母、長男、長女、次女の4名です。父と絶縁状態だった長男は、協議書への署名捺印を長らく拒否していました。母が亡くなった後、ようやく長男が署名捺印と必要書類の提出に同意しました。しかし、長男は8年前に住所を変更しており、遺産分割協議書の作成日(母存命時)と印鑑証明書の住所が一致しません。この場合、作成済みの遺産分割協議書は使用できないのでしょうか?新たに作成する必要があるのでしょうか?
【背景】
【悩み】
長男の住所変更により、遺産分割協議書の作成日と印鑑証明書の住所が一致しません。この協議書は使用できるのか、それとも新たに作成しなければならないのか、とても不安です。
遺産分割協議書とは、相続人全員で話し合って、相続財産(この場合は不動産)をどのように分けるかを決め、その内容を書き留めた書面です。法的な効力を持つ重要な書類で、不動産の名義変更手続きには必須となります。相続財産が不動産以外にもある場合は、それらについても協議書に記載する必要があります。
結論から言うと、必ずしも新しい遺産分割協議書を作成しなければならないわけではありません。 長男の住所が変更になっているとはいえ、本人確認がしっかりできれば、作成済みの協議書を使用できる可能性があります。ただし、登記所が協議書の有効性を認めるかどうかは、具体的な状況次第です。
このケースでは、民法(相続に関する規定)と不動産登記法が関係します。民法は相続の発生、相続人の範囲、遺産分割の方法などを規定しており、不動産登記法は不動産の所有権の移転登記に関する手続きを規定しています。
「作成日と住所が一致しないから無効」と誤解しがちですが、必ずしもそうではありません。重要なのは、協議書に記載された相続人の意思表示が真に本人によるものか、そしてその意思表示が明確にされているかです。住所の不一致は、本人確認の難易度を上げるだけで、必ずしも無効の理由にはなりません。
長男の署名捺印と、現在の住所が記載された新しい印鑑証明書を改めて取得しましょう。そして、その印鑑証明書のコピーを遺産分割協議書に添付します。さらに、長男の現在の住所と、以前の住所(協議書に記載されている住所)を明確に記載し、住所変更の経緯を簡単に説明した「補足説明」を協議書に添付することも有効です。登記所によっては、これらの補足資料を要求される可能性があります。
登記所の担当者から追加資料の提出を求められた場合や、協議書が却下された場合は、専門家(司法書士や弁護士)に相談することを強くお勧めします。専門家は、法的な観点から適切なアドバイスを行い、スムーズな手続きを進めるお手伝いをしてくれます。複雑な相続問題において、専門家のサポートは非常に重要です。
今回のケースでは、長男の住所変更が問題となっていますが、必ずしも遺産分割協議書が無効になるわけではありません。しかし、登記所の判断はケースバイケースです。スムーズな手続きを進めるためには、長男の現在の印鑑証明書を添付し、住所変更の経緯を説明する補足資料を用意することが重要です。不安な場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。 相続手続きは複雑なため、専門家の助言を得ながら進めることが、時間と労力の節約につながります。
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