80歳植物状態の父、実家の相続はどうなる？相続権と不動産の行方

相続の基礎知識：法定相続と遺産分割

まず、相続とは、亡くなった人の財産（遺産）が、法律で定められた相続人（法定相続人）に引き継がれることです。 あなたの父の場合、法定相続人は、あなた（長男）、あなたの妹（長女）です。 父の妹さんは、血縁関係はありますが、法定相続人には含まれません。 遺産には、預金や株式などの動産（不動産以外の財産）と、土地や建物などの不動産が含まれます。

相続が発生すると、相続人たちは共同で遺産を相続します。 しかし、全員が同じ割合で相続するとは限りません。 相続割合は、民法で定められた法定相続分によって決まります。 具体的には、配偶者がいなければ、子供は均等に相続します。つまり、あなたと妹さんは、それぞれ遺産の1/2を相続することになります。

今回のケースへの直接的な回答：あなたの相続権

あなたの父が亡くなった場合、あなたは法定相続人として、実家（不動産を含む）を相続する権利があります。 ただし、それはあなたの妹さんと共同で相続する権利であり、単独で全てを相続できるわけではありません。

関係する法律：民法

相続に関する法律は、主に民法（特に第900条以降）で規定されています。 この法律では、相続人の範囲、相続分の割合、遺産分割の方法などが定められています。 相続手続きには、相続税の申告や、不動産の名義変更など、複雑な手続きが伴います。

誤解されがちなポイント：長男だから優先されるわけではない

日本の相続においては、長男だからといって特別な権利があるわけではありません。 法定相続分は、男女平等に、また、兄弟姉妹間でも均等に分配されます。 昔ながらの「長男相続」という考え方は、法律上は根拠がありません。

実務的なアドバイス：遺産分割協議

実家の不動産をどのように分割するかは、あなたと妹さんとの間で協議する必要があります。 話し合いで合意できれば、その内容に従って遺産分割が行われます。 しかし、合意に至らない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。 調停でも合意に至らない場合は、裁判で解決することになります。 不動産の分割は、売却して現金で分割する方法や、どちらかが買い取る方法など、様々な方法があります。 不動産の評価額を正確に把握し、公正な分割を行うことが重要です。

専門家に相談すべき場合：協議が難航した場合

相続手続きは複雑で、法律の知識がなければトラブルに巻き込まれる可能性があります。 あなたと妹さんとの間で、遺産分割について意見が対立し、話し合いが難航する場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ：相続は専門家の力を借りて

80歳で植物状態の父親の実家の相続は、法定相続人であるあなたと妹さんが相続します。 長男だからといって特別な権利はありません。 不動産の分割方法は、話し合いで決めることが理想ですが、困難な場合は専門家の力を借りましょう。 スムーズな相続手続きを進めるためには、早めの準備と専門家への相談が大切です。