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89歳まで続く住宅ローン!老親の滞納と共有物件の売却、息子への名義変更は可能?相続税対策も解説
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物件を息子に売却することは法的に可能でしょうか?家賃としてローン相当額を支払わせるつもりですが、相続税逃れとみなされる可能性はありますか?
まず、ご質問の核心である住宅ローンの滞納問題について整理しましょう。ご実家の住宅ローンは、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と銀行からの借り入れがそれぞれあります。滞納が続けば、期限の利益喪失(ローン契約上の支払い義務を履行できなくなった場合、債権者(銀行など)が契約を解除できる権利のこと)を宣告され、競売(裁判所が物件を強制的に売却し、債権者に代金を支払う手続きのこと)にかけられる可能性があります。競売では、物件の市場価格の6~7割程度の金額でしか売却できないため、残債が残ってしまうリスクがあります。
物件がご父兄とあなたで共有されている点が重要です。共有物件を売却するには、所有者全員の同意が必要です。つまり、ご父兄とあなたの同意を得て、息子さんに売却することは法的に可能です。ただし、売買契約書をきちんと作成し、公正証書(公証役場で作成される、法的効力が高い文書のこと)で残すことが重要です。
息子さんに家賃名目でローン相当額を支払ってもらうことは、問題ありません。しかし、これはあくまで「家賃」であり、ローンの肩代わりとは明確に区別する必要があります。税務署に「相続税逃れ」とみなされないよう、きちんと家賃として扱われるよう契約書に明記する必要があります。
息子さんへの売却が相続税逃れとみなされるかどうかは、売買価格の妥当性、売買の時期、ご父兄の健康状態など、様々な要素が考慮されます。適正な価格で売買が行われ、相続が発生する前に売買が行われれば、相続税逃れとはみなされにくいでしょう。しかし、不当に低い価格で売却したり、相続が確定してから売却したりすると、税務署から指摘を受ける可能性があります。
このケースでは、民法(不動産の所有権や売買に関する法律)、抵当権法(不動産を担保としたローンの法律)、相続税法(相続に関する税金に関する法律)などが関係します。
「家賃名目」でローンを肩代わりすれば、相続税対策になるという誤解は危険です。税務署は、売買の背後にある真意を厳しく審査します。
* 弁護士や税理士に相談し、売買契約書の作成、税務上のリスクなどを確認しましょう。
* 売買価格については、不動産鑑定士に依頼して査定してもらうのがおすすめです。
* 息子さんとの間で、家賃の支払い方法、滞納時の対応などを明確に契約書に記載しましょう。
このケースは、法律や税務の専門知識が必要な複雑な問題です。弁護士や税理士に相談し、最適な解決策を見つけることが重要です。特に、競売回避、売買契約、相続税対策など、専門家のアドバイスなしに判断するのは危険です。
息子さんへの売却は法的に可能ですが、相続税対策として適切かどうかは慎重に検討する必要があります。弁護士や税理士などの専門家に相談し、契約書の作成、税務上のリスクなどを確認した上で、手続きを進めることを強く推奨します。 競売という時間的な制約もあるため、早急に専門家にご相談ください。
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