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90代祖母のための簡潔遺言書作成ガイド:必要な事項と法的注意点

祖母が90代で、できるだけ文字数が少なくて済むように書きたいと思っています。遺言書を考えてみたのですが、足りない所や必要な事を教えて頂きたいです。目録は別誌で作る予定です。「遺言書 遺言者(名前)は、別紙目録一及び二及び三の不動産を息子〇〇に相続させる。令和二年七月八日(名前)印鑑」
簡潔な遺言書は可能ですが、法的に有効な記載が必要です。相続人、相続財産、日付、署名・押印は必須です。

1. 遺言書の基礎知識:種類と有効要件

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、それ以外の証書遺言の4種類があります。(民法968条)。今回のような簡潔な遺言書は、自筆証書遺言に該当します。自筆証書遺言は、遺言の内容をすべて自筆で書き、署名・押印する必要があります。 ただし、90代の方の場合、文字数が少ないからといって、重要な事項が抜け落ちていたり、曖昧な表現だと、後々争いの原因となる可能性があります。

2. 質問の遺言書の法的有効性と問題点

質問文の遺言書は、相続させる財産(不動産)を「別紙目録一及び二及び三」と記載しているため、その目録の存在が遺言書の有効性に大きく関わってきます。目録が紛失したり、内容に不備があれば、遺言書全体が無効になる可能性があります。また、相続人の範囲が息子さん一人であるという前提ですが、他に相続人がいないことを確認する必要があります。配偶者や他の親族がいる場合は、その方々の相続分についても記載する必要があります。

3. 関係する法律:民法における遺言

日本の遺言に関する法律は、主に民法(特に第960条以降)に規定されています。この法律では、遺言の有効要件や種類、無効となるケースなどが細かく定められています。遺言書を作成する際には、この民法の規定に沿って作成する必要があります。特に、自筆証書遺言は、完全に自筆でなければ無効となるため、注意が必要です。

4. 誤解されがちなポイント:簡潔さと法的有効性

遺言書は簡潔に書くことが重要ですが、簡潔にするあまり、重要な事項が抜けていたり、曖昧な表現になっていると、遺言が無効になる可能性があります。例えば、「不動産」とだけ書いていても、どの不動産を指しているのか曖昧です。住所や地番などを具体的に記載する必要があります。また、相続人の範囲についても明確に記述する必要があります。

5. 実務的なアドバイス:具体的な記載例

より明確で法的にも有効な遺言書にするためには、以下の点を考慮して作成しましょう。

* **相続人:** 「相続人は息子〇〇(住所、生年月日)とする。」と明記します。
* **相続財産:** 「別紙目録に記載の不動産(住所、地番、地目など詳細に記載された目録を添付する)」と記載します。目録は、不動産の住所、地番、地目、面積などを具体的に記載し、ページ番号を振るなどして管理しましょう。
* **日付と署名・押印:** 「令和○○年○○月○○日」と西暦で明記し、遺言者の署名と押印が必要です。印鑑は実印ではなくても構いませんが、本人であることを明確に証明できる印鑑であることが望ましいです。
* **証人:** 自筆証書遺言は証人が必要ありませんが、万が一の紛失に備え、作成した遺言書の控えを保管しておくことをおすすめします。

6. 専門家に相談すべき場合

遺言書の作成は、法律的な知識が必要なため、複雑な財産内容や相続人の関係が複雑な場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。特に、高額な財産や複数の相続人がいる場合、争いを避けるためにも専門家の助言を受けることが重要です。

7. まとめ:簡潔さと法的有効性の両立

90代の方にとって、簡潔な遺言書は望ましいですが、法的有効性を確保するためには、重要な事項を漏れなく、明確に記載することが不可欠です。相続人、相続財産、日付、署名・押印は必ず記載し、曖昧な表現は避け、専門家に相談することも検討しましょう。 遺言書は、ご自身の大切な意思表示です。しっかりと準備することで、ご家族の将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

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