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95歳認知症母の資産管理:不動産10件と預金、妹と共同管理の賢い方法

父が亡くなり、重度の認知症の母と妹と私の3人になりました。母は施設に入居しており、現在95歳です。相続は済みましたが、今後の母の資産管理で妹とやり取りをしています。母は借家を10件程度持ち、預金もそれなりにあります。妹は成年後見人を立てない方向で検討したいと言ってます。不動産及び預金の管理を共同でやろうと思いますが、これといった良いアイデアがあれば教えてください。多少の費用は覚悟しています。
専門家(弁護士、司法書士、税理士)に相談し、家族信託を活用した資産管理を検討しましょう。

1.高齢者の資産管理と成年後見制度

高齢者(特に認知症の方)の資産管理は、非常に重要な課題です。本人の意思能力が低下すると、適切な管理ができなくなり、財産を失うリスクが高まります。そのため、成年後見制度(成年後見人、保佐人、補助人を選任し、本人の代わりに財産管理などを行う制度)が利用されます。しかし、成年後見制度は、裁判所の関与が必要で、手続きに時間がかかります。また、後見人の選任には、本人の意思や家族の意見が考慮されますが、必ずしも希望通りになるとは限りません。

2.今回のケース:95歳認知症母と10件の不動産、預金管理

質問者様のケースでは、95歳で重度の認知症の母親が、複数の不動産と預金を持っています。妹さんと共同で管理したいと考えていますが、成年後見人は立てたくないとのことです。多くの不動産と預金を抱えているため、管理は容易ではありません。特に、不動産管理は、家賃徴収、修繕対応、空室対策など、専門的な知識と労力を必要とします。

3.成年後見人を選任しない場合のリスク

成年後見人を選任しない場合、以下のリスクがあります。

  • 不正な取引:認知症の母が、悪意のある第三者から騙されて、財産を不正に取られる可能性があります。
  • 資産の減耗:適切な管理ができないため、不動産の維持管理費用が滞ったり、預金が使い果たされたりする可能性があります。
  • 相続問題の複雑化:将来、相続が発生した場合、資産の管理状況が不明瞭なため、相続手続きが複雑化し、相続人同士の争いが発生する可能性があります。

4.家族信託による資産管理

成年後見人を選任せずに、安心して資産管理を行う方法として、「家族信託」(信託契約に基づき、委託者(信託する人)、受託者(信託を管理する人)、受益者(信託の利益を受ける人)の3者が関わる制度)が有効です。家族信託では、母親を委託者、妹さんと質問者様を受託者、母親自身を受益者として契約を結びます。受託者は、信託契約書に定められた範囲内で、母親の財産を管理・運用します。

5.家族信託のメリットとデメリット

  • メリット:裁判所の関与がなく、柔軟な資産管理が可能。家族で話し合って管理方法を決められるため、合意形成が容易。
  • デメリット:専門家の費用が必要。信託契約の内容によっては、税金の問題が生じる可能性がある。

6.実務的なアドバイスと具体例

家族信託を利用する場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、契約内容を慎重に検討する必要があります。契約書には、不動産の管理方法、預金の運用方法、修繕費用の負担方法などを具体的に記載する必要があります。また、定期的な資産状況の報告や、会計処理についても明確にしておくことが重要です。(例:不動産管理会社への委託、定期的な家賃収入の確認、修繕費用の積立など)

7.専門家に相談すべき場合とその理由

家族信託は、専門的な知識が必要なため、弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談することが重要です。特に、不動産の数が多く、複雑な資産状況の場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。専門家は、適切な信託契約の作成、税金対策、リスク管理などのサポートをしてくれます。

8.まとめ

95歳認知症の母の資産管理は、成年後見制度を利用する以外にも、家族信託という選択肢があります。家族信託は、専門家の費用はかかりますが、家族で話し合いながら柔軟に資産管理を進められるメリットがあります。しかし、専門家のアドバイスなしに安易に進めるのは危険です。必ず専門家と相談し、適切な方法を選択することが重要です。

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