メール保存の基本:なぜ安全対策が必要なのか
メールは、現代社会において非常に重要なコミュニケーションツールです。仕事の連絡、プライベートなやり取り、重要な書類のやり取りなど、様々な情報がメールを通じて送受信されます。
しかし、パソコンがウイルスに感染した場合、メールデータが失われる可能性があります。
例えば、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)に感染すると、メールを含むすべてのファイルが暗号化され、復元のために金銭を要求されることもあります。
また、誤って重要なメールを削除してしまう、パソコンの故障でデータが破損してしまう、といったリスクも考えられます。
このような事態に備えるため、メールの安全な保存方法について理解しておくことが重要です。
Outlookメールの保存場所と問題点
Outlookでメールを保存する場合、通常は「.pst」または「.ost」という拡張子のファイルに保存されます。
これらのファイルは、Outlookの個人フォルダ(.pstファイル)またはオフラインフォルダファイル(.ostファイル)と呼ばれ、パソコンの特定の場所に保存されます。
個人フォルダは、メール、連絡先、カレンダーなどの情報をまとめて保存するためのファイルで、通常はパソコンのローカルドライブに保存されます。
オフラインフォルダファイルは、Exchangeアカウントなどのメールデータをオフラインで利用できるようにするためのファイルです。
Outlookのデフォルト設定では、これらのファイルはパソコンのシステムドライブ(通常はCドライブ)に保存されることが多いです。
このため、もしパソコンがウイルスに感染したり、システムドライブが故障したりした場合、これらのファイルが破損し、メールデータが失われる可能性があります。
安全なメール保存方法:バックアップと外部保存
Outlookのメールを安全に保存するためには、以下の2つの方法を組み合わせることが重要です。
- バックアップの取得
- 外部保存
1. バックアップの取得
定期的にOutlookの個人フォルダ(.pstファイル)をバックアップすることは、非常に有効な対策です。
バックアップを取得することで、万が一の事態が発生した場合でも、メールデータを復元することができます。
バックアップの方法としては、以下の2つが考えられます。
- Outlookのバックアップ機能を利用する
- 専門のバックアップソフトを利用する
Outlookには、個人フォルダをバックアップする機能が標準で備わっています。
Outlookの設定から、個人フォルダの場所を確認し、定期的にバックアップファイルを作成しましょう。
また、専門のバックアップソフトを利用することで、より詳細な設定や自動バックアップなどの機能を利用することができます。
バックアップ先としては、外付けハードディスク、USBメモリ、クラウドストレージなどが考えられます。
バックアップファイルは、安全な場所に保管し、定期的にバックアップの動作確認を行いましょう。
2. 外部保存
Outlookの個人フォルダ(.pstファイル)とは別の場所にメールを保存することも、セキュリティ対策として有効です。
具体的には、以下の方法が考えられます。
- メールのアーカイブ
- メールソフトの活用
メールのアーカイブ:
Outlookには、古いメールを別の場所に移動して保存する「アーカイブ」機能があります。
この機能を利用することで、個人フォルダの容量を減らし、万が一の事態に備えることができます。
アーカイブファイルは、外付けハードディスクやUSBメモリなどの外部メディアに保存することをおすすめします。
メールソフトの活用:
Outlook以外のメールソフトを利用することも、メールを安全に保存する方法の一つです。
例えば、GmailなどのWebメールサービスは、クラウド上にメールを保存するため、パソコンの故障やウイルス感染のリスクを軽減できます。
また、メールソフトによっては、メールデータを暗号化して保存する機能や、複数の場所にバックアップする機能などを備えているものもあります。
Outlookでのメール保存設定方法
Outlookでメールを外部保存するための具体的な設定方法を説明します。
ここでは、個人フォルダ(.pstファイル)の場所を変更する方法と、メールのアーカイブ方法について解説します。
個人フォルダ(.pstファイル)の場所を変更する方法
- Outlookを起動し、「ファイル」タブをクリックします。
- 「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択します。
- 「データファイル」タブを選択し、現在使用している個人フォルダ(.pstファイル)を選択します。
- 「設定」をクリックします。
- 「参照」ボタンをクリックし、新しい保存場所(外付けハードディスクなど)を選択します。
- 「OK」をクリックして設定を保存します。
この設定により、Outlookの個人フォルダが新しい場所に保存されるようになります。
定期的に、この新しい場所に保存された個人フォルダ(.pstファイル)をバックアップするようにしましょう。
メールのアーカイブ方法
- Outlookを起動し、「ファイル」タブをクリックします。
- 「クリーンアップツール」→「アーカイブ」を選択します。
- アーカイブしたいフォルダーを選択し、アーカイブする期間を指定します。
- アーカイブファイルの保存場所を指定します。
- 「OK」をクリックしてアーカイブを実行します。
アーカイブが完了すると、指定した期間より古いメールが、アーカイブファイル(.pstファイル)に移動します。
このアーカイブファイルは、外付けハードディスクやUSBメモリなどの外部メディアに保存し、安全に保管しましょう。
関連する法律や制度について
メールの保存に関連する法律や制度としては、個人情報保護法が挙げられます。
個人情報保護法は、個人情報の適切な取り扱いを定めており、メールに含まれる個人情報についても、安全に管理することが求められます。
具体的には、個人情報の漏えいを防ぐための対策を講じること、個人情報の利用目的を明確にすることなどが求められます。
また、企業においては、情報セキュリティに関する社内規定を整備し、従業員への教育を行うことが重要です。
誤解されがちなポイントの整理
メールの保存方法について、誤解されがちなポイントを整理します。
- クラウドストレージに保存すれば完全に安全?
- バックアップを取ればすべて解決?
クラウドストレージに保存すれば完全に安全?
クラウドストレージは、パソコンの故障やウイルス感染のリスクを軽減できますが、完全に安全とは限りません。
クラウドサービス自体がサイバー攻撃の対象になる可能性や、アカウントの不正利用のリスクも存在します。
クラウドストレージを利用する際は、二段階認証の設定や、パスワードの適切な管理など、セキュリティ対策を徹底することが重要です。
バックアップを取ればすべて解決?
バックアップは非常に重要な対策ですが、バックアップだけではすべて解決するわけではありません。
バックアップファイルが破損していたり、バックアップの頻度が少なかったりすると、データの損失を防ぐことができません。
バックアップは、定期的に行い、バックアップの動作確認を行うことが重要です。
また、バックアップ先を複数用意し、万が一の事態に備えることも有効です。
実務的なアドバイスと具体例
メールの安全な保存方法に関する、実務的なアドバイスと具体例を紹介します。
- 定期的なバックアップの習慣化
- セキュリティソフトの導入と更新
- メールソフトのバージョンアップ
定期的なバックアップの習慣化:
週に一度、または月に一度など、定期的にOutlookの個人フォルダ(.pstファイル)のバックアップを行いましょう。
バックアップの頻度は、メールの重要度や更新頻度に応じて調整してください。
バックアップは、外付けハードディスクやUSBメモリ、クラウドストレージなど、複数の場所に保存することをおすすめします。
セキュリティソフトの導入と更新:
パソコンには、必ずセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保ちましょう。
セキュリティソフトは、ウイルスの侵入をブロックし、万が一感染した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。
セキュリティソフトの定義ファイルは、定期的に更新し、最新の脅威に対応できるようにしましょう。
メールソフトのバージョンアップ:
Outlookなどのメールソフトは、常に最新のバージョンを使用するようにしましょう。
最新のバージョンには、セキュリティ上の脆弱性(ぜいじゃくせい)を修正するパッチ(修正プログラム)が含まれている場合があります。
また、新しい機能が追加され、より安全にメールを利用できるようになることもあります。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 企業で大量のメールを管理している場合
- 高度なセキュリティ対策が必要な場合
- メールに関するトラブルが発生した場合
企業で大量のメールを管理している場合:
企業では、大量のメールを管理する必要があり、個人での対策だけでは限界がある場合があります。
専門家は、企業の規模やニーズに合わせて、最適なメール管理システムやセキュリティ対策を提案してくれます。
高度なセキュリティ対策が必要な場合:
金融機関や医療機関など、高度なセキュリティ対策が必要な場合は、専門家のサポートが不可欠です。
専門家は、最新のセキュリティ技術や情報に基づき、最適な対策を提案してくれます。
メールに関するトラブルが発生した場合:
メールが送受信できなくなった、メールデータが消失した、などのトラブルが発生した場合は、専門家に相談しましょう。
専門家は、トラブルの原因を特定し、適切な対処方法を提案してくれます。
まとめ:メール保存の重要ポイント
Outlookメールを安全に保存するための重要ポイントをまとめます。
- 定期的なバックアップ
- 外部保存
- セキュリティソフトの導入と更新
メールは、重要な情報を含む貴重なデータです。
万が一の事態に備え、バックアップ、外部保存、セキュリティ対策を組み合わせ、安全なメール環境を構築しましょう。
定期的な見直しと、最新の情報へのアップデートも忘れずに行いましょう。

